高等教育無償化へ共に
日本共産党・民青同盟が集い
お金の心配なく学べる社会に
「大学・短大・専門学校 高等教育無償化に向けてともに考えるつどい」が9日、大阪市住吉区内で開かれ、100人以上が参加しました。民青同盟木津川南地区委員会と日本共産党木津川南地区委員会が主催したもの。同党の宮本たけし衆院議員・大阪5区候補が、国内外の状況や党が6月に発表した高等教育無償化政策を説明するとともに、参加者の発言などで高学費・奨学金返済を巡る深刻な実態が浮き彫りになりました。
つどいでは青年や子育て世代が発言しました。
4年で1千万円 夢諦めてしまう
民青同盟木津川南地区委員長の田中綾恵さんは、看護師免許取得のために高校から専攻科まで5年通った自分自身も、下のきょうだいも、奨学金返済を続けているとし、「生活は苦しい。学費問題は人生に関わる問題。学びたい人が誰でもお金の心配なく学べるようになることを強く求める」と語りました。
子どもが5人いる女性は、京都の美大4年の娘の入学金と授業料、家賃、仕送りなどを合わせると4年で1千万円になると述べました。大学に行かない道を選んだ2人の息子に、「進学の夢を諦めさせてしまったのでは」と語ると同時に、後の2人の子が地方の私立大に進学すれば2千万円が必要になると訴え。党の提案について「本当にうれしい。安心して学び、安心して子どもを生み育て、老後を迎えることができるようにしてほしい」と語りました。
奨学金や学費が生活の足かせに
5歳の子を育てている40代男性は、働きながら鍼灸の専門学校に通い、学費を払う生活で、自由な時間が制限され、欲しい本も買えなかったことを振り返りました。友人が300万円の奨学金を返済しながら大学で非常勤講師をしていることも紹介。「奨学金や学費問題が、私たちの世代の生活の足かせになっている」と訴え。わが子の将来を考えると不安が消えないとし、党の提案について、「財源の確保も示している。ぜひ実現してほしい」と話しました。
日本の教育予算は極めて少ない
宮本議員は、日本の学費が50年間で50倍化する一方、独、仏、ノルウェー、フィンランドは無償で、学費が高い国も奨学金は給付が常識だとし、高学費でほとんどが貸与奨学金の日本の奨学金制度の問題点を指摘。日本は高等教育への教育予算が、先進国中、下から2番目で、給付奨学金の要件の厳格化などを内容とする岸田内閣の「異次元の少子化対策」では学費は下がらないと指摘し、党の無償化提案を紹介しました。
また、国際規約が求める無償教育を長年留保してきた日本が、民主党政権時代に自身の国会質問で留保を撤回させたこと、それを自民党政権が反故にしたことを報告。「国民の世論と運動が政府を追い詰めて突き動かしてきた。国民の声を政治に届けられるよう頑張りたい」と決意を述べました。
金を払えという自民と同じ維新
参加者から党の提案にへ質問や、日本維新の会の無償化政策の問題点などを問われた宮本議員は、維新の政策は、勉強がしたければ金を払えという従来の自民党の政策と同じだと指摘。「教育は社会が支えるべき」と強調しました。
フロアからも発言が相次ぎました。
40代の男性は、無利子の奨学金を300万円借りて大学に通っていたが、実家の家計が苦しくなり中途退学。38歳で完済したものの、結婚後も返済が続き生活に余裕がなく、子どもがつくれない中で、妻と意見が合わなくなり離婚せざるを得なくなったと語り、「返済が大変な状況で、家庭を持ち、子どもを産み育てることが本当に難しくなっている」と訴えました。
民青同盟員は「無償化を進めて学びたい人が学べる社会をつくるのが、政治の仕事だと改めて思った」と感想を述べました。
日本共産党の井上浩大阪市議は、近畿2府4県で独自の奨学金返済支援制度がないのは大阪と奈良だけと紹介し、大阪市でも支援制度を提案をしたいと述べました。
悪いのはあなたでなく仕組みだ
民青地域班の同盟員は、「学費の問題で苦しんでいる人たちに、悪いのはその仕組みだと伝える活動がしたい」と語り、学生向けの食料支援や、学習、要求実現など民青同盟の活動を紹介しました。
共産党衆院大阪3区候補のわたなべ結さんは、つどいに向けた街頭宣伝で、「子どもの学費を払っている時は地獄だった」と寄せられた言葉が「今の実態を象徴している」と語り、「自己責任と言っている場合ではない。この集会をスタートに、世代を越えて共有して、社会を変えていくうねりを住吉からつくっていきたい」と強調。「日本共産党の議員を増やし、草の根から国会に声を届けていくパイプを、太く、太くしたい」と述べました。
共産党の提案 |
日本共産党の政策「高等教育の無償化へ――ただちに学費・奨学金返済を半額にし、計画的に無償化をすすめていく」では、緊急に次の3つを提案しています。①国公立も私立も専門学校も直ちに学費を半額にし、無償化計画を進める。高額で先進国にない入学金もゼロに。
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(大阪民主新報、2023年9月17日号より)