暮らしそっちのけで万博・カジノへ暴走
物価高から府民守る府政に
石川府議 府民団体懇談会での報告から㊦
私学無償化の一方で公立学校つぶし
入学金対象外で学校負担も
私立高校授業料無償化では、所得制限撤廃が吉村知事の目玉施策として提案されています。来年度の3年生から段階的に2年生、1年生へと3年間で所得制限を撤廃します。
しかし入学金は無償化の対象外です。また、私学への経常費助成は2万円増だと言いますが、全国平均以下であることに変わりなく、これでは私学経営は成り立たないと悲鳴が広がっています。
すでに私学で働く先生たちの非正規雇用率は50%を超えています。いよいよ入学金アップか、さらなる人件費削減でしか経営難を乗り切る道がない。これが無償化の裏で起きている実態です。
私学助成をうんと引き上げなければ、本当の意味で学校選択の自由は守られません。そして今年度も府立高校再編整備が進められ、子どもたちの学校選択の自由が狭められようとしています。
工科高廃止し支援校僅かに
今年度は工科高校の統廃合に着手し、西野田工科高校を廃校(今宮工科高に統合)し、布施工科高校と城東工科高校は共に廃校し、城東工科校の校舎校地に統合されます。
9月議会に府立学校条例改正が提案されています。これは新設設置される府立出来島支援学校を条例に書き加えるものです。支援学校新設は何度も議会で取り上げたので、とてもうれしいのですが、やっと1校です。300人超えの支援学校は14校も残されており、400人超えの学校も1校あります。支援の必要な子どもたちを守っていくためには支援学校も、そして支援学級もどちらも必要です。しかし政府方針は、支援学校を増やすのではなく各学校に支援学級を整備するという方向です。
支援教育の面でも、学校選択の自由が奪われることがないよう、今後も求めていきたいと思います。
ものづくりを支える府政に
関西の上半期の倒産企業が昨年比で非常に増えたと報道されました。中小企業と商売のまち大阪で、どうやって業者の皆さんを守っていくのかが問われています。
今議会には「新事業展開テイクオフ支援」の追加として、3・2億円が増額補正されました。この制度は予想を上回る応募があり、これ自体は大事な事業です。ただし、ゼロゼロ融資の返済本格化に対応するためにも、借り換えやリスケジュール支援、円滑な資金調達など総合的な経営改善支援が求められています。
従業員の奨学金返済を支援する中小企業への補助制度が実現することになりました。大阪府育英会や日本学生支援機構の奨学金を代理返済する企業に対し、最大50万円(1回のみ)を給付します。
日本共産党府議団が提案してきたもので一歩前進ですが、返済総額2分の1を上限に最大250万円を補助する岩手県など全国的にみれば大阪の制度は貧弱です。
何百万円もの奨学金を抱えて苦しむ学生と労働者をどう救うのかの視点から、拡充を求めていきたいと思います。
誘致ストップへ力を合わせ
カジノ・IRは開業時期が2029年に延期され、事業者がIRから撤退できる「解除権」が3年間延長されました。
MGMは、カジノ来場者の2%がギャンブル依存症になると説明しています。大阪府・市は、セミナー開催で府民理解を進め、依存症対策のワンストップ型支援拠点を造ると言いますが、「今以上に依存症患者を増やさない」という府の目標は、カジノを造った時点で破綻することが明らかです。
依存症対策も中途半端で、カジノ事業者が逃げないよう撤退する権利を持ち続けさせるというこのやり方そのものを徹底的に批判し、カジノ誘致ストップへ力を合わせていきたいと思います。
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石川府議は11日、府議会環境産業労働常任委員会で、府民生活と大阪経済を守る府政にと、質問に立ちます。
(大阪民主新報、2023年10月8日号より)