大阪市教育委員会による市立桜宮高校体育系学科の「入試中止」決定について
2013年1月22日
日本共産党大阪府委員会書記長 柳利昭
一、大阪市立桜宮高校バスケットボール部キャプテンの2年男子生徒が、同部顧問の教員から体罰を受けた翌日に自殺した問題で、大阪市教育委員会は21日に教育委員会議を開き、今春の同校体育系2科(定員120人)の募集を中止し、普通科として入試を実施することを多数決で決定しました。保護者や生徒らが反対・批判の声を強くあげるなかでの決定です。
私たちは、教育委員会が生徒を含む学校関係者の意見を踏まえ、決定の見直しをおこなうことを強く求めます。
一、今回の「入試中止」問題は、生徒を含む学校関係者の願いから出発したものではなく、橋下徹大阪市長が政治権力を振りかざして教育に乱暴に介入し、従わなければ予算をつけないなどと脅し、学校と教育委員会に押し付けたものです。男子生徒の自殺から一ヶ月が経過し、学校と教育委員会による本格的な事実調査と解明、学校教育の場で体罰は許されないという基本認識のもと、学校から体罰を一掃するとりくみを進めるべき時期に、橋下市長が教育への介入を行ったことは、問題を混乱させ、解決を妨げるものです。こうした教育介入はただちにやめるべきです。
一、いまやるべきは、生徒への体罰と自殺という学校であってはならないことを、二度と繰り返さないために、体罰をなくす学校での徹底した議論と具体的なとりくみです。今後の学校改革などは、学校関係者の議論と合意のもとに進められるべきです。政治の役割は、教育への介入ではなく教育条件整備をはじめとして学校をささえることにあります。 日本共産党は、子どもの命を何よりも大切にし、子どもの成長を願う立場から、学校から体罰をなくすために力を尽くすとともに、あらためて府民的討論と共同をよびかけます。