自民党安倍派の政治資金パーティーの裏金疑惑が噴出する中、政治資金パーティーそのものへの関心や批判が高まっています。大阪維新の会の吉村洋文代表は12日、記者団に対し、大阪維新の会の政治資金パーティーのあり方を検討するよう指示したことを明らかにしましたが、これまでパーティーで大もうけしてきました。

　大阪維新の会は２０１０年４月の結成以来、コロナ禍の20年、21年を除いて毎年、政治資金パーティーを開いてきました。
　大阪府選挙管理委員会が公表した政治資金収支報告書の各年版によると、22年までの13年間の収入は計約８億６千万円。開催費用を差し引いた利益は計約６億７３００万円で、利益率は78・３％です（表１）。
　12年から19年まで大阪の各党・団体のパーティー収入で１位の座を独占しています。22年までの13年間でみると、大阪維新の会の総収入の47・６％がパーティーの収入。コロナ禍直前の19年のパーティー収入は過去最高の１億１７２４万円（利益率83・３％）で、同年の収入総額（１億４９８７万円）の78・２％に上っていました。

首長･議員含めると膨大に

大阪維新の会の政治資金パーティー＝２０１９年９月12日、大阪市北区内

　これとは別に、大阪維新の会の首長や議員が政治資金パーティーを開いています。大阪府選挙管理委員会が11月29日に公表した22年度分の政治資金収支報告書によると、首長や議員26人が政治資金パーティーを開催（表２）。このうち利益率が高いのは東徹参院議員（98・31％）、山入端創羽曳野市長（96・73％）、馬場伸幸衆院議員・日本維新の会代表（94・77％）などとなっています。
　吉村洋文知事の政治団体「友洋会」の過去の政治資金収支報告書によると、２０１９年１月15日に、大和ハウスが40万円分パーティー券を購入しています。同社は大阪湾の埋め立て地、夢洲にカジノを造る「大阪ＩＲ株式社会」の出資企業で、20年11月に府と包括連携協定を結んでいます。
　昨年10月の府議会都市住宅常任委員会で、日本共産党の内海公仁議員（当時）がこの問題で吉村知事を追及。大和ハウスのアドバイザーを務める和泉洋人氏は、安倍・菅政権で首相補佐官を務めた人物で、22年１月１日付で大阪府市の特別顧問となりました。
　内海氏は「和泉氏は夢洲開発に関わる府市の秘密情報を手にしている。極めて不適切な関係だ」と批判。吉村知事は「何の問題もない」などと居直りましたが、改めて責任が問われています。

(大阪民主新報、2023年12月17日号より）