2023年12月23日
走れ! コータローレポート
「失われた30年」 奪ったのは誰か
自民党の裏金問題が底なしの様相で、リクルート事件以来の疑獄といわれています。リクルート事件とは1989年にリクルート社が自社の業績拡大のために関連会社の未公開株を政治家や官僚にばらまいた事件で、藤波孝生元官房長官や池田克也元衆院議員(公明党)などが有罪となった事件です。
ところで2000年前後、「これからは正社員で縛られた人生ではなく、フリーターで自由に生きよう」などという、非正規のすすめのような論調が雑誌等のメディアでふりまかれていました。正社員への道が細る中、そういう生き方に救いを求めようする人も少なくなかったのではと思います。しかしそのような価値観を広げようとしていたのは、「コストカット」を進めようとする財界であったのは明らかです。雇用が流動化し非正規雇用が増えることは、「就職」「雇用」の分野でアルバイト雑誌なども発行していたリクルート社の業績にも好影響を与えたことでしょうし、リクルート自身がそういう価値観を広げる中核の役割を果たしたのではないでしょうか。
「失われた30年」は、雇用破壊が進んだ世代にとっては「奪われた30年」です。奪ったのは自民党であり財界です。2者をつないだのはカネであり、財界からのカネによって政治が歪められたのです。もう企業団体献金を全面禁止する以外ありません。財界ではなく国民のための政治実現のためには、企業団体献金を受けとらない日本共産党が大きく伸びるしかありません。(たつみ・こうたろう 日本共産党衆院近畿ブロック比例候補 次回は1月28日号に掲載)
(大阪民主新報、2023年12月24日号より)