暮らしと命を守る府政へ
日本共産党府議団が団体懇談会
日本共産党大阪府議団は9日、21日に開会する大阪府議会2月定例会に向け、府民団体との懇談会を開きました。16団体24人が参加し、石川たえ府議が、府政の動向と2月府議会の焦点について報告しました。
企業倒産が増え府民の負担増も
石川氏は、物価高騰で府民の暮らしや営業に深刻な影響が及ぶ中、実質賃金が16カ月連続マイナスとなり、中小・零細企業の倒産が増えていると指摘。府が進める国民健康保険料の府内統一化で、43自治体すべての国保料が値上げの恐れがあり、激変緩和前の2017年比で150%増になる例があると指摘しました。
その一方、医療・福祉、教育、中小企業支援などは現状維持か後退の恐れもあると述べ、国保料府内統一や急性期病床削減の中止、非正規労働者の賃上げにつながる助成制度の創設、ものづくり中小企業関連予算の増額などを求めていきたいと語りました。
復興妨げる万博ただちに中止を
石川氏は、大阪万博の会場建設費上振れで府市負担が783億円に上る問題や、2820万人の来場目標に対し、前売り券販売が進まない現状を示し、「来場意向は下がり続け、特に若い世代の関心は激しく落ち込んでいる。能登半島地震の復興の妨げになる万博は、即刻中止すべきとの世論が高まっている」と指摘。過大な経済効果を主張し万博開催へ暴走する府の姿勢を厳しく追及すると語りました。
石川氏は党の提案として、乳幼児医療費助成制度を18歳まで拡充し窓口負担を無料にする▽学校給食無償化を行う市町村への財政支援を行う▽小中学校で35人学級編成に踏み出す▽機械的な府立高校廃止をやめる▽夢洲万博の中止▽カジノを中核とするIR誘致の中止――などあふれる府民要求を示し、「大阪万博をストップさせ、府民の生活そのものを守るため頑張りたい」と語りました。
コロナの反省なしに病床削減が
各団体から「不登校が小中合わせて2万人を超える中、養護教諭の複数配置が必要。緊急避難や熱中症対策など安全性の担保もないのに、(大阪万博の)機運醸成や動員に、学校と子どもたちが利用されようとしている」(大教組)、「全国一のコロナ死者数となった反省もなく、大阪府医療計画では公立病院廃止や病床削減が進められている」(府保険医協会)、「私学では有期雇用の教員が増え、雇用不安が広がり、専任の養護教諭がいない学校もある。経常経費助成の拡充が必要」(大私教)、「中小事業者は物価高と賃金上昇、インボイスで三重苦にあえいでいる。大阪万博を中止し、中小企業への支援策を拡充してほしい」(大商連)など発言がありました。
賃上げへ労働施策の抜本拡充を
福祉保育労組の代表は、国が示した介護報酬見直しの問題点などを発言し、大阪労連の代表も、実質賃金が連続低下する現状を取り上げ、大阪府の労働施策の抜本拡充と見直しが必要と訴えました。
原発ゼロの会おおさかの代表は、「住宅向けの太陽光発電補助など、実効ある再生可能エネルギー施策と予算の拡充が必要だ」と発言しました。大阪から公害をなくす会の代表は、万博推進のため〝夢洲安全神話〟で、子どもや府民の健康や安全が脅かされかねないと指摘。有機フッ素化合物PFOAや公園・街路樹伐採など、全府的に調査が必要だと提起しました。
(大阪民主新報、2024年2月18日号より)