日本共産党第29回大会 大阪の代議員・評議員の発言(下)
万博ごり押しの維新と自民の悪政連合打破を
大阪府委員会?たつみコータロー評議員
衆院近畿比例ブロック候補となって活動範囲が広がり、新しい出会いにわくわくしながら、活動しています。
近畿ブロックの党組織や支持者は、「維新政治をどう見るのか」という関心が極めて高いです。大阪での維新政治は「改革」の装いで、新自由主義と自己責任論を前面に出した政治を持ち込み、公共部門を切り捨て、議員定数削減で多様な民意を削減し、民主主義破壊を進めるなど、自民党以上の危険な姿を示しながら、全国で伸長を図っています。
万博ごり押しがアキレス腱
今その維新の最大のアキレス腱となっているのが、大阪・関西万博のごり押しです。大阪府委員会は昨年8月、どの政党にも先駆けて万博中止を求める声明を出しました。今や、共同通信の世論調査で「万博不要」が68・6%に上り、維新支持者でも65%が「不要」です。
批判の中心は、どんどん膨れあがる事業費です。会場建設費は当初の2倍、2350億円に上り、インフラのない人工島・夢洲の開発に約1・2兆円。万博名目の関連工事も含めると9・7兆円もの事業費です。
カジノのために夢洲誘致が
事業費が肥大するのは、開催地の夢洲が、大阪湾のしゅんせつ土砂を持ち込みんだごみの最終処分地であり、PCBやダイオキシン、ヒ素などの土壌汚染、液状化、地盤沈下も進む人工島だからです。そこに万博誘致を決定した背景にあるのが、カジノです。
民間事業だけでは夢洲のインフラ整備を税金で担うことはできないので、国策である万博にその役割を担わせることを狙い、当初候補になかった夢洲を開催地に決めたのです。これをトップダウンで決めたのが維新の会でした。
この狙いを指摘し、国会でも論戦してきたのが日本共産党。今や「万博は動機が不純」とまで書くメディアも出てきました。「日経」(1月16日号)でも「中止は一考に値する」と書きました。
参加国によるパビリオン建設の遅れから、プレハブで済まそうというのがタイプX。このタイプXの受注大企業から吉村洋文知事がパーティ券を購入してもらうなど、利権の構造もあらわです。売れないチケットを自治体が税金で購入することにも、批判が高まっています。そもそも夢洲へは橋とトンネルの2本しかルートなく、南海トラフ地震などの震災時の避難計画もできていません。
カジノ止める展望が広がる
大阪府委員会は1月11日、能登半島地震を受けて、改めて中止を求める声明を出しました。このまま万博を強行すれば、被災地の復旧・復興に必要な資材、人材、重機、そして予算が回りません。万博のテーマは「命かがやく」「命を守る」です。ならば半年で解体してしまう、350億円をかけるリング(大屋根)などはやめ、大量の木材、人材、重機を被災地に回すべきです。
カジノ用地の賃料を決める不動産鑑定評価を巡る談合疑惑も、「しんぶん赤旗」日曜版のスクープで明らかになりました。裁判闘争に発展し、市民の運動と合わせて、カジノを止める展望が広がっています。
維新が大阪で伸長してきた背景には、維新政治以前の「オール与党」による湾岸開発への偽りの「改革ポーズ」で、批判の受け皿になったことがあります。ところが今、維新がのめり込んでいるのが、彼らが批判してきた湾岸開発そのものです。だから今は、自民党の支持率が下がっても維新は上がらない。現政権の批判の受け皿にならない現状です。
維新の実態を丁寧に知らせ
今必要なのは、維新の実態を丁寧に知らせて「改革」の幻想を取り払い、自民党政治を変える真の改革政党が日本共産党だと知ってもらうことです。日本共産党を伸ばして、野党の共闘を進め、悪政を打ち破りましょう。
近畿ブロックは、たつみ、学費無償化運動の先頭に立つ堀川あきこさん、難しい話でも面白く分かりやすく語る清水ただしさん、ジェンダー平等社会の実現にと奮闘する、こむら潤さん、平均年齢46歳の個性派ぞろいです。
近畿ブロック定数28のうち、日本共産党は2 議席。腐った自民党や維新と闘う最前線の近畿ブロックで、2議席を絶対確保し、10年ぶりの議席増へ、一丸となって奮闘する決意です。
(大阪民主新報、2024年2月25日号より)