日本共産党大阪府新委員長
駒井正男さんに聞く
たたかいでつくった潮目の変化
歴史的反転攻勢で希望の大阪へ
2月18日に行われた日本共産党第83回府党会議で、新しく府委員長に選出された駒井正男さんに抱負などを聞きました。
自分たちの世代が引き継ぐ決意新たに
――新府委員長の誕生ですね。
党大会で、同世代の田村智子さんが委員長に選ばれ、自分たちの世代がこの党を引き継いでやっていく時なのだと決意を新たにしました。
私自身は党大会への参加は9回目でしたが、今回はこれまで以上に、多面的で豊かな内容を持つ大会だと感じました。
ウクライナやガザの問題、日本の平和をどうしたらいいのかと誰もが感じている中で、世界の本流と平和をつくる展望をさし示し、自民党政治を終わらせる国民的な運動を広げ、総選挙で日本共産党が躍進すること、そのために何を突破するかを示すとともに、党建設、未来社会論と、いくつものチャンネルが広がる大会でした。
――大阪ではどんな活動を展開しますか。
世論調査で岸田政権の不支持率が8割を超えています。民青同盟の高校生向けの宣伝でも40代の女性が、「私にも貼らせて」とシール投票に参加するなど、政治への怒りが沸騰しています。
自民党が落ち込むと支持率が上がっていた維新も、万博問題がアキレス腱になっています。そんな中で日本共産党があることを知らせる活動に、大いに取り組んでいきたいと思います。
もう1つは、大阪の党の活動を担っていただいているベテラン世代の力を借り、若い世代・真ん中世代が党の活動に生き生きと参加し、みんなが成長できる党をつくりたいと思います。
府委の「総合計画」で重視したことは
私たちの運動が局面変えた
――府委員会の「総合計画」ができました。
「総合計画」は、党大会決定を具体化して、大阪で実践していくものです。今回重視したのは、大阪で大きな潮目の変化が起きているということです。
大阪の党は十数年来、自公政権、維新政治の下で議席を後退させられるなど、みんな苦労してきましたが、今どんな地点に立っているのかを明らかにしました。
大阪では、万博やカジノをやることが決められて以降も、夢洲で万博をやっていいのか、カジノが来ればどうなるのかなど、府・大阪市議会、国会などで一貫して取り上げ、府民的な運動に展開する中で世論が変わりました。「総合計画」では、われわれのたたかいで局面を変えてきたことを確信に、府民的なたたかいや共同をさらに広げていくことを呼び掛けました。
――維新政治の転換についても章を起こしています。
維新政治転換し希望の大阪へ
総選挙勝利、維新政治への反転攻勢をかけるたたかいは、2つの意味を持っています。
1つは府民の願いに応えて大阪を変えること。もう1つは、維新の拠点中の拠点の大阪で変化を起こすことは、国政を変える力にもなります。自公政権と維新政治の「二重の逆流」を打ち破るたたかいのやりがい、面白さを、大阪の支部や党員の皆さんと共有し、歴史的な反転攻勢に取り組みたいとの思いから、「維新政治を転換し、希望ある大阪へ」と突き出しました。
相手の切実な要求とかみあわせて、ここを変えて大阪をよくしていこうという中身をうんと伝えていくことが重要で、自覚的民主勢力のたたかいと組織の大きな前進と同時に、これまで以上に幅広い府民の人たちと語り合うことが求められると思います。
――総選挙勝利を目指す活動については。
総選挙勝利への課題と方針
大阪から比例候補になった、たつみコータローさんと清水忠ただしさんが大阪内外を駆け回り、小選挙区候補も訴えてくれているのが、活動の大きな推進力になっています。
「しんぶん赤旗」のスクープが情勢の大きな変化をつくり、自民党以外の政党が、真相の徹底究明や企業・団体献金禁止を言うようになりました。
八尾の地域の訪問で、〝金権腐敗の自民党政治を終わらせるために〟と訴えて、1週間で8軒から「赤旗」購読申し込みがありました。
高槻の地域の支部では、共産党を支持していた女性が入党し、その方の勧めで娘さんも入党しました。女性は、なぜ共産党が大きくならないのかと考え、若い人に知らせたいと、「赤旗」の魅力が分かるチラシを作ることを支部に提案。作ったチラシを支部の人たちとマンションで配り、訪問をするなど、新入党員の熱意がベテラン党員の心を動かし、行動を広げています。
総選挙では、比例56万票目標の大阪の役割とやりがいをみんなでつかんで、近畿で必ず2人、3人と国会へ送るために、強く大きな党をつくりたいし、大会決定を一人一人に届け、みんなで議論して力を合わせていきたいと思います。
真ん中世代も参加できる党
堺地区では、真ん中世代の党員みんなが活動する党をつくろうと取り組む中で、ある職場支部で「仕事のしんどい思いを話してもらうだけでいいから」と声を掛けられた仲間が、十数年ぶりに支部会議に来て、思いを語ってくれたそうです。真ん中世代の党員が活動に参加し、成長できる党になれば、党の活動も劇的に変わると思います。
大阪府党は、とりわけ高等教育無償化を目指す活動に力を入れ始めています。学費問題は世代を問わず、大変な重しです。若い人は自分の今と将来、親や祖父母の世代も生活や老後を左右されています。政治が変われば、入学金も学費も奨学金の問題も変えられる、変えようというメッセージを届ける活動を、全党でやっていきたいと思います。
一人一人を大事にする組織が共産党
――共産党との出会いや日頃感じられている党の魅力は。
高1の時、トラック運転手だった父親が衝突事故を起こして重傷を負った時、民主商工会や共産党の松尾信次市議らが親身になって相談に乗ってくれたのを見て、なぜこの人たちはこんなに一生懸命やってくれるのかと思いました。高校の先生たちに勧められ、民青同盟や党に入りました。
共産党の魅力は、一言で言うと未来への希望だと思います。
高校生だった私が衝撃を受けたのが、どこに行っても性別も年齢も職業も関係なく、みんな平等に、自然体で協力し合って活動している人間集団でした。一人一人が同じ思いを持って集まり、人間的に成長できる。一人一人を大事にする組織の中で、私自身が本当に成長させてもらったと思います。これからさらに、府党の皆さんと力合わせて頑張っていきたいと思います。
(大阪民主新報、2024年3月3日号より)