おおさかナウ

2024年03月09日

自民党裏金疑惑 徹底解明を
汚れたカネで歪んだ政治転換し
主権者国民のための政治改革を
たつみ氏と上脇氏が緊急対談

 「パーティ券裏金疑惑の謎を解明!」と銘打って、日本共産党のたつみコータロー元参院議員・衆院近畿比例候補と、上脇博之神戸学院大学教授の緊急対談が2月26日、寝屋川市で行われ、320人が参加しました。大阪12区市民連合と進歩と革新をめざす寝屋川市民懇話会が共催したものです。

パーティ券裏金疑惑について問題点を語り合った緊急対談=2月26日、寝屋川市内

12区市民連合・寝屋川革新懇が集会

 開会あいさつした加藤昌孝・寝屋川革新懇代表世話人は、裏金疑惑の徹底解明を求める世論が高まっていると指摘し、主権者、納税者としてこの問題に向き合い、行動を広げていこうと呼び掛けました。12区市民連合代表世話人で東大阪生協病院院長の橘田亜由美さんが司会役を務めました。

5万団体調べて疑惑の方程式が

 たつみ氏は、『しんぶん赤旗日曜版』(2022年11月6日号)のスクープ記事について、自民党派閥と全国5万を超える政治団体の政治資金収支報告書を丹念に調べ上げた結果、2500万円もの不記載が見つかったものだと解説。このうち、清和政策研究会(安倍派)が18年から22年に開いた5回のパーティーは、販売枚数に「0・675」を掛けた数字が購入者数になっていたことを紹介し、「〝疑惑の方程式〟と呼ばれ、自民党の収支報告書全体がずさんな内容だった」と告発。

背景に見返り求める利権の構造

上脇氏

 自民党の主要派閥が政治資金パーティーを裏金づくりに利用し、ゼネコンなど大企業がパーティー券を購入していた実態を述べ、「企業がパーティ券を買う背景には見返りを求める利権の構図がある。政策をカネで買うような歪んだ社会を変える必要がある」と強調し、徹底解明へ国会で証人喚問するべきだと語りました。
 「赤旗」日曜版の最初の報道直後の22年11月9日以降、政治資金規正法に基づく収入明細不記載について東京地検に19件の刑事告発を重ね、特捜部の捜査につなげた上脇氏は、「赤旗」記者の地道な調査取材とともに、今年1月19日に告発のほとんどを不起訴にした特捜部の取り扱いの課題などを詳述。政治家による裏金づくりへの関与、チケット販売ノルマ超過分のキックバックや、収支報告書未記載分を裏金としてプールする手口を告発しました。

明らかになったのは氷山の一角

 主に安倍派を中心としたキックバックの問題について、たつみ氏は、販売ノルマを超過したチケット収入を派閥に報告せず、自らの懐に入れる手口もあり得ると指摘。上脇氏は「報道では〝中抜き〟と書かれるが、私に言わせれば〝持ち逃げ〟です」と語り、「いま明らかになっているのは氷山の一角。捜査終結との報道もあるが、この問題はまだまだ続く」と述べました。
 上脇氏は、自民党が2月15日に公表した党所属議員91人への聞き取り調査報告書で、派閥から議員に渡った裏金を「還付金」、議員側が派閥に報告しなかったパーティー券収入を「留保金」と言い張っている問題を取り上げ、「還付金とは本来国民が誤って納めすぎた所得税などを返還されるもの」と批判。本来、裏金と中抜き収入は、所得税が課税される雑所得に当たり、脱税の疑いがあると強調しました。

明らかにされない裏金の使い道

たつみ氏

 裏金の使途に関し、懇親費や会合費、百貨店の「品代」「ワインバー」などの説明があったことについて、上脇氏は、「裏金を作っていた人たちの説明を正しいと信用できるのか」と述べ、領収書などの証拠書類を精査する必要があると指摘。たつみ氏も、「何を買ったのか不明な〝お品代〟は、税務署は支出として認めない。場合によっては買収など違法行為に該当する恐れがある」と述べました。

(大阪民主新報、2024年3月10・17日号より)

 

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