日本共産党街頭演説
自民党政治終わらせ政治の展望を開こう
田村委員長が3つの柱で訴え
「自民党政治を終わらせて、どんな政治にするのか」――日本共産党大阪府委員会が19日、大阪市天王寺区内で街頭演説した田村智子委員長は、同党の展望を3つの柱で語りました。
暮らしと経済再生プランで
第1の展望は、暮らしと経済の立て直し。田村氏は、岸田政権の2年間、実質賃金は下がり続け、アベノミクスの「異次元の金融緩和」で異常円安が引き起こされ、物価高騰がこれからも続きかねないが、今や岸田政権は暮らしを良くする政策を示すことができなくなっていると語りました。
企業献金を集め、大企業・財界の目先の利益を応援すれば日本経済はよくなるという、これまでの経済政策が大失敗していると指摘。この30年間で大企業の利益は11倍に増えている一方、賃金は全く上がらないどころか、下がっているというゆがみを正すことが必要だとしました。
田村氏は、このゆがみを生んだ責任は、人件費やコストカットを応援し、規制緩和を繰り返した政治にあると強調。女性が多く働く職場や飲食業、事務職などでは丸ごとと言っていいほど、不安定で低賃金の非正規雇用にされており、「これでは若い皆さんが、将来に希望を持つことができるはずがない」と告発しました。
田村氏は、510兆円にも上る大企業の内部留保のごく一部に課税することで、中小企業を支援して最低賃金を1500円にすることや、消費税減税を実行し、インボイスも廃止するなど、党の「経済再生プラン」を示し、「総選挙で日本共産党を伸ばし、『経済再生プラン』の実現を」と訴えました。
維新政治にもきっぱり審判
巨大開発と一体の大規模イベントやカジノを呼び込む維新の経済政策も、一握りの大企業と投資家に利益をもたらすものだと批判。カジノと万博にしがみつく維新政治も、自民党政治と同じように、深刻な行き詰まりに直面していると語りました。
田村氏は、夢洲の万博会場の建設現場で発生したガス爆発事故について、日本共産党はメタンガスの発生など夢洲の危険性を議会でも警鐘を鳴らしてきたが、維新は「対策を取っているから大丈夫」とはねのけてきたと指摘。「その挙げ句の爆発事故。命や安全に対してあまりにも無責任。今後も重大な事故が起きない保証など、どこにもない」と強調しました。
維新が夢洲開発にしがみつくのは、万博を口実にしてカジノのインフラ整備に税金を使うためだと告発。「大規模開発には惜しみなくお金を使い、カジノ頼みの経済政策で突き進む。利権とからんだ維新政治は自民党政治と、うり二つ。総選挙で自民党政治を終わらせ、維新政治にもきっぱり審判を下すため、日本共産党の躍進を」と力を込めました。
憲法を生かし対話の外交を
第2の展望は、戦争のない平和な東アジアをつくるための、憲法を生かした外交。田村氏は、岸田政権が憲法9条を踏みにじり、軍事費2倍化や敵基地攻撃能力の保有などを進め、4月の日米首脳会談では、米軍の指揮下に自衛隊を事実上置いてしまう約束を交わすなど、「戦争国家づくり」を進め、暮らしのための予算を押しつぶそうとしていると告発しました。
今求められるのは、戦争を起こさないための外交をどう進めるのかだと強調。4月に志位和夫議長が行った東アジア平和構築提言について、「さまざまな価値観で国と国とを分断させたり、敵対したりするのではなく、共存・共栄を目指して話し合うシステムを、東アジア全体につくろうというもの」と語りました。
東南アジア諸国連合(ASEAN)が日本、アメリカ、中国、ロシアの首脳も含めた東アジアサミットを生かして、対話の外交を徹底することが必要だと力説。「何より憲法は、戦争を起さないための努力を求めている。戦争国家と軍事費倍増か、それとも平和の外交か、今が歴史の別れ道。日本共産党を伸ばして、憲法を生かした外交ができる日本をつくろう」と訴えました。
誰もが自分を大切に生きる
第3の展望は、ジェンダー平等社会の実現。選択的夫婦別姓制度や同性婚などに背を向ける自民党政治を告発した田村氏は、「古い家族のあり方を押し付ける人たちを、国会と政治の表舞台から退場させることが求められている」と力を込めました。
NHKの連続テレビ小説「虎に翼」で、主人公が初の女性弁護士となった祝いの席で、〝生い立ちや、信念や、格好で切り捨てられたりしない。男か女かでふるいにかけられない社会になることを、私は心から願います。いや、みんなでしませんか。しましょうよ!〟と語ったことを紹介しました。
「これは、今の日本社会にも突き刺さる言葉ではないか」と田村氏。「誰もが自分を大切にして生きることができる、ジェンダー平等社会の実現へ日本を変えよう。自民党を下野させれば、大きな一歩を踏み出せる」と語りました。
田村氏は、財界・大企業の利益最優先、アメリカ言いなり、人権後進国という自民党政治を、大本から変える綱領を持つ党だからこそ、決して揺らぐことなく3つの改革を国民とともにやり遂げることができると強調。「来るべき総選挙で、まず日本共産党を躍進させていただき、希望の政治をともに切り開こう」と語りました。
(大阪民主新報、2024年5月26日号より)