おおさかナウ

2024年06月08日

宮本岳志のよもやま話
地方自治法改悪案、必ず廃案に

 地方自治法改悪案が5月30日、自民、公明、維新、国民などの賛成で衆議院を通過させられました。この法案は、政府が「国民の安全に重大な影響を及ぼす事態」と判断すれば地方自治体に指示できる枠組みを新たに導入するもので、地方自治を根底から破壊するものです。
 戦前の中央集権的な体制の下で、自治体が侵略戦争遂行の一翼を担わされた反省から、戦後、日本国憲法は地方自治を明記し、「団体自治」と「住民自治」の原則を保障しました。ところが歴代自民党政権は自治体の権限や財源を抑制し、いっかんして地方自治を形骸化させてきました。
 2000年施行の「地方分権一括法」でも、「分権」とは名ばかりで、「法定受託事務」に国による指示、「代執行」という強力な関与の仕組みを法定。その上、今回の改悪案は、国の関与を最大限抑制すべき「自治事務」にまで国が指示することを可能にするもので、極めて重大です。しかも、「国民の安全に重大な影響を及ぼす事態」とは何か、その類型も判断基準も、審議では全く明らかにされませんでした。国の恣意的判断で自治体を国に従属させることなど、断じて許されません。
 一方、審議を通じて政府は「事態対処法」や安保三文書に基づく「特定利用空港、港湾」への法律の適用について、「除外するものではない」と述べ、否定しませんでした。アメリカの戦争に自治体を動員するために使われる危険は重大です。
 参議院の論戦で必ず廃案に追い込む決意です。(みやもと・たけし 日本共産党衆院議員 次回は7月14日号に掲載)

(大阪民主新報、2024年6月9日・16日合併号より)

 

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