2015年12月20日
住吉市民病院 廃止計画に反対意見続出
府医療審議会 賛成は維新府議1人
大阪市立住吉市民病院の廃止に伴う府の病院再編計画について、11日の府医療審議会(会長=伯井俊明府医師会会長)で審議され、出席者19人中途中退席した2人を除く17人で採決され、賛成は維新府議1人のみで12人が反対しました。
再編計画実行には厚労省の許可が必要で、審議会の意見を踏まえ松井一郎知事が厚労省に申請するかどうかを判断します。
審議会では大阪市の担当者が「市民病院廃止は議会で決まっている」「再編計画が認められなければ、住吉市民病院の持つ病床数が削減されるだけになる」など理解を求めましたが、委員からは「反対している地域を説得できなければ病院再編はできない」など厳しい意見が相次ぎました。
ありえない話
市民病院跡地に誘致する予定の三宝会南港病院(大阪市住之江区)について、「小児科・産科の経験もなく医師もこれから雇うという。こんな話で進めることはありえない」「採算が取れない診療科に民間病院が手を挙げるなど普通は考えられない。努力するというが詭弁だ」「府会議員、市会議員に責任がある。決して結果は良くならず、誰も責任を取らない」など、医療従事者から率直な意見が出ました。
全員が反対に
審議会に先立ち、10月21日に大阪市南部保健医療協議会で計画が審議され、出席した地元医師会会長全員が反対。これを受け同月26日に府医療審議会病院新増設部会が開かれ、橋下徹大阪市長の「市長の意見」が提出されましたが、そこでも反対意見が続出しました。
「市長の意見」は府医療審議会でも紹介。市民病院廃止は「大きな政策判断として行政として決定すべきものであり、南部保健医療協議会が判断するものではない」とし、「認められなければ病床数の削減となる」として反対意見を封じようとしていました。
(大阪民主新報、2015年12月20日付より)