大阪市議会での2条例強行にあたっての党府委員会柳利昭書記長の談話
2条例の強行に抗議し、具体化を許さず、子どもの成長と教育をよくする共同の発展を
一、橋下徹大阪市長が3月の市議会に提案し継続審議とされていた「教育行政基本条例案」「職員基本条例案」は、25日の本会議で、原案を「一部修正」のうえ、「教育条例案」は維新の会と公明党の賛成で、「職員条例案」は両会派と自民党の賛成で可決強行された。日本共産党と民主系のOSAKAみらいは両条例案に反対、自民党は「教育条例案」に反対した。「市立学校活性化条例案」は再び継続審議とされた。
2条例は、政治が教育に乱暴に介入し異常な競争に子どもたちを駆り立て、教職員・職員を同一「職務命令違反」3回で免職対象とするものである。これは、教職員・職員の人格を丸ごと支配下におき、「国民全体の奉仕者」であるべき公務員を、首長の下僕に変えようとするものであり、民主主義社会では許されない。わが党は、2条例の強行に厳しく抗議する。
一、教育関係者が呼びかけた新しいアピールへの賛同者が1000人を超え、大阪市の各区で開かれた「学校教育フォーラム」では地域住民や学校関係者から、橋下市長の学校選択制導入方針への批判・反対の意見が相次ぎ、2条例案に反対する市長あて署名は約24万人から寄せられるなど、「教育基本条例案」に反対する共同は、短期間に大きく広がった。
こうした、子どもの成長と教育を良くしたいという市民の願いと2条例案の矛盾は大きい。「市立学校条例案」を再び継続審議にせざるをえなかったのも、市民世論と運動に押されてのことである。
一、わが党は府民・市民・教育関係者のみなさんと力を合わせ、大阪府と大阪市の2条例の具体化を許さないたたかいを強める。とりわけ、公立高校学区撤廃や府立高校3年連続定員割れによる統廃合、小中学校の学校選択制や学力テスト結果の学校別公表をやめさせるとともに、政治の教育への介入を許さず「教育振興基本計画」は少人数学級の拡充など教育条件整備の計画とすることを強く求めてたたかう。同時に、2条例そのものの撤廃へ引き続き府民的共同を広げる。学校選択制を押し付ける「市立学校条例案」は撤回を求める。
また、わが党が4月に発表した教育改革提言「教育の主人公は子どもたち――みんなで力をあわせて、子どもを人間として大切にする教育を」を広げ、子どもたちの未来を拓くための教育とは何かを大いに語り合い、いまの教育をよくして、子どもたちの豊かな成長をすすめる府民的共同の発展へ力を尽くすものである。