政策・提言・声明

2012年04月06日

大阪市の「思想調査」、「データ廃棄」にあたってのコメント

2012年4月6日
日本共産党大阪府委員長 山口勝利

1、本日、大阪市特別顧問の野村修也弁護士は、橋下市長による「思想調査」のデータを「廃棄」した。これは、違憲・違法な「思想調査」について、どんな理屈をつけようとも継続できず、市民の批判の前に、彼らが追い詰められたものです。

2、しかし、これで「思想調査」問題の「幕引き」とすることは到底許されません。
 わが党は3月28日に大阪府委員会の見解「橋下徹市長はいま何を明らかにすべきか――『思想調査』問題の解決のために」を記者会見で発表し、橋下市長のもとにも届け、ここで2つの核心を提起しました。第1に、これが憲法19条(思想・良心の自由)に抵触・違反することは明白であるにもかかわらず、橋下市長はまだ認めないのか。第2に、大阪府労働委員会の勧告に「従う」というのなら、野村特別顧問ではなく、橋下市長みずからの責任で調査中止を宣言し、データを廃棄し、謝罪すべきではないか、というものです。
 橋下市長は、これに何も答えられず、みずからの責任をあいまいにしたままです。憲法と日本の民主主義の根幹ににかかわることがらにもかかわらず、問題を避け、逃げる政治家に、大阪市長を担う資格があるのかが問われます。

3、加えて発覚した「大阪市職員リスト・捏造」問題は、この「思想調査」とのかかわりにおいても、徹底糾明が求められます。「維新の会」の市会議員が「捏造」された資料をもとに「交通局と組合が組織ぐるみで市長選に関与していたことが裏付けられた」などと決めつけたことも背景の一つとして、「思想調査」が強行されました。ところが、橋下市長と「大阪維新の会」は、これが「捏造」と明らかにされてもなお、市民や労働組合に謝罪するどころか、「議員活動の自由」などと居直りに終始しています。
 公務員とその組合が相手なら、「思想調査」も、「捏造をもとにした追及」も、許されるとでもいうのか。この点でも橋下氏には、市長として、「大阪維新の会」代表として、重大な責任が問われています。

4、「思想調査」問題は、提訴されている府労委、あるいは司法の場で究明されることになりますが、橋下市長の政治責任の追及は、大阪市議会と府民・市民世論によってさらに大きくすすめられなければなりません。わが党は、今後もこの問題での徹底追及と「民主主義を守る」一点での共同へ、力をつくすものです。

以上

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