府市統合本部の発足にあたって
2011年12月27日
日本共産党大阪府委員会書記長 柳利昭
○ 本日、橋下徹大阪市長と松井一郎知事は咲洲庁舎において「府市統合本部」を発足させ、その初会合を開きました。
わが党は、これが橋下氏と「大阪維新の会」による“独裁政治”を具体化し、実行するための「総司令部」になろうとしていることに強い懸念を表明します。
○ 「府市統合本部」について、橋下氏は11月27日の「大阪維新の会・全体総会」で、「これこそ統治機構を変えた証」と位置づけました。
「府市統合本部」は、「大阪維新の会」が市長選マニフェストでかかげたものですが、選挙中、橋下氏と松井氏の選挙公報では一言もふれず、法定ビラで、わずかに「大阪都ができるまで成長戦略は」「統合本部において推進します」と二行程度うたったにすぎません。
そもそも「大阪都」構想は、「一人の指揮官」で巨大開発戦略をやりたい放題すすめるための舞台づくりであり、憲法にうたう地方自治――府民自治・市民自治の精神を踏みにじる危険なものです。加えて「大阪都」に通じる「府市統合本部」も到底、選挙で「民意」を得たといえるものではありません。
にもかかわらず、今日の統合本部会議が課題としたものには、大きな批判がわきおこっている教育基本条例案・職員基本条例案づくりから、地下鉄・市バスの民営化、水道統合、病院・大学・港湾・公営住宅の一体運営、信用保証協会の統合など、府民生活、市民生活に直接関わる大問題がズラリと並びます。これらを法律や条例の裏付けが何もない「府市統合本部」で決定し、事実上府と市の「最高意思決定機関」とすることは二重三重に地方自治と民主主義をじゅうりんするものです。
○ 橋下氏らは「選挙で勝てば何でも民意」と、矢継ぎ早に「府市統合」戦略をすすめますが、市長選で「独裁ノー」の民意を鮮明にした平松氏が得た52万票や、市議会では「大阪市つぶしは許されない」との民意を受けた議席が過半数を占めていることをはじめ、多くの矛盾につきあたります。堺市長が統合本部に参加しなかったことも重要です。
わが党は「府市統合本部」のあり方そのものに反対するとともに、ここでうちだされる政策の一つひとつについて、何よりも府民・市民の利益にとってどんな意味をもつのか、憲法・地方自治にてらしてどうかなど、きびしく注視します。また、大阪の暮らしと経済の閉塞状況の原因が、こうした「行政システム」の問題などではなく、米国と大企業中心の政治の歪みにこそあることを明らかにして、府民のみなさんとともにその転換をめざします。そして、「独裁政治」の具体化も、その発動も断固として許さないために、ダブル選挙で広がった「反独裁」の共同を力に、これをさらに発展させながら、府議会・市議会内外で、その役割を果たすものです。