岸和田市長に佐野氏
民主市政の会が自主支援
〝市民の良識の勝利〟
女性から性加害を訴えられた永野耕平前市長(元維新)の失職に伴い、6日投開票で行われた岸和田市長選挙は、日本共産党も参加する「岸和田民主市政の会」が自主支援した郵便局長の佐野英利氏(45)=無新=が4万8307票を獲得。約8割の得票率で永野氏らに大差をつけて勝利し、初当選を果たしました。投票率は40.03%で前回を約12ポイント上回るなど、市政刷新を求める市民の願いを示しました。
得票1/3以下 永野前市長に審判
岸和田市では、永野前市長が女性から性行為の強要を訴えられ、昨年11月28日に解決金500万円の支払いと謝罪で女性と和解していたことが新聞報道で発覚。永野氏が所属していた維新は、除名せず離党勧告にとどめて市長で居続ける道を残しました。
市議会が2度の不信任決議を上げ、失職した永野氏は、出直し市長選への出馬を表明。「岸和田民主市政の会」は、永野氏の再選を阻止し、維新政治も終わらせようと佐野氏を自主支援しました。佐野氏は幅広い市民と市議24人の大半から支援を受け、市内30カ所以上で個人演説会、タウンミーティングを開催し、市政の信頼回復を訴えました。
市民は、昨年12月から永野氏の辞職を求めて、署名や宣伝を繰り広げました。市庁舎前で連日行われたスタンディングに参加し、「市長はやめろ」と訴えた防災士の女性は、佐野氏支援で奮闘。開票結果を受けて、「市長が性加害をしたのなら、岸和田の女性が黙っていたら駄目だと思い立ち上がった。選挙で女性が一つになった。これからは佐野市長を支え、みんなで対話して岸和田の未来に進むよう、市民として関わっていきたい」と話しました。
永野氏は、2度の不信任決議に対し「僕にも言いたいことはある」などと主張。女性から訴えられた性加害も「デマ」として、N国党代表の応援も受けて性加害を批判する日本共産党やマスコミへの攻撃を繰り返しました。得票は、前回の約2万3千票から3分の1以下の7606票へ大幅に減らしました。
市民の声に耳傾ける 佐野氏
6日午後8時すぎに佐野氏当確の報が流れると、支援者や超党派の議員が詰め掛けた加守町の佐野事務所は、喜びの声で沸き返りました。拍手と「おめでとう」の言葉で迎えられた佐野氏は、「たくさんの地域で市民の皆さんの声を聞き、岸和田への強い思いを改めて感じた。各地域に山積している課題の解決へ、一歩ずつ前に進めていきたい。決して一人で市政を進めることはしない。しっかりと市民の声に耳を傾けながら、胸を張って皆さんと共に、子どもたちに新しい岸和田をつないでいきたい」と語りました。
佐野氏は、駆け付けた日本共産党の岸田厚、中井良介、海老原友子議員とも勝利を喜び合いました。
報道陣に佐野氏は、「市議会で不信任が2回可決されたのはこれまでになかった。それによって市政が停滞し、市民が不安に感じていたと思う。市議会や市民の岸和田市への強い思いが結果として現れた」と述べました。今後も24小学校区すべてで年1回以上のタウンミーティングを行うこと、公約で掲げた「市長倫理条例」も早急に取り組みたいとしました。
岸和田市長選の開票結果
当 | 佐野 英利 | (45) | 無新 | 48,307 |
永野 耕平 | (46) | 無前 | 7,606 | |
花野 眞典 | (46) | 無新 | 4,119 | |
上妻 敬二 | (66) | 無新 | 584 |
(大阪民主新報、2025年4月13日号より)