大阪の願い 国政に結ぶ 日本共産党府委が政府交渉
「ブラック企業・バイト根絶を」わたなべ候補
「大阪の願いを国政に結ぼう」と、日本共産党府委員会が18日、国会内で政府交渉を行いました。わたなべ結府青年学生委員会責任者(参院大阪選挙区候補)や大門みきし参院議員(同比例候補)、府議会、大阪市議会はじめ市町村議員団などから約30人が参加。雇用と暮らし、福祉、教育、防災、まちづくりはじめ府民の切実な要求や実態を示し、厚生労働・国土交通・文部科学の各省に施策の拡充や対策の強化を求めました。
府民の暮らし応援へ全力
躍進を力に政治動かす
政府交渉には辰巳孝太郎参院議員、、清水忠史、堀内照文各衆院議員、小選挙区候補の北山良三(大阪5区)、あらい真(大阪8区)の両氏も参加。厚労省交渉ではブラック企業・ブラックバイトの根絶が大きなテーマになりました。
日本共産党は2013年の参院選での躍進を力にブラック企業規制法案を提出。そのことが契機にもなって厚労省は実態調査と是正指導に乗り出すなど、現実政治を動かしています。
厚労省の「若者の『使い捨て』が疑われる企業等への重点監督の実施状況」(13年)では、大阪労働局管内の調査対象435事業者のうち、8割以上の362事業所で違法状況が明らかになっています。
日本共産党府委員会とわたなべ氏は、府内の18〜29歳を対象にした独自の「若者1千人調査」や、府内の地域労組や個人との懇談を重ねて、労働実態や要望を聞き取ってきました。それを基にわたなべ氏はことし1月発表した「大阪若者提言」で、ブラックな働き方をなくし、賃上げと安定した雇用を増やすことを提案しています。
大阪の実態踏まえ交渉
今回の政府交渉では▽悪質なブラック企業は実名を公表し、高校・大学に情報提供する▽ハローワークがブラック企業を紹介する事態を起こさないようにする▽残業代不払いの企業名を公表し、2倍の残業代を支払わせてただ働きを根絶する。コンビニや外食産業などでの労働時間の不当な切り捨てをやめさせる――ことなどを要望しました。
わたなべ氏は実態調査で、ブラック企業やブラックバイトで働いていても、違法であると知らず、おかしいと思っても泣き寝入りしている現状があると指摘。雇用のルールを学ぶ機会をつくるため、高校や大学の必須科目とするよう文科省と踏み込んで協議することや、「ブラック企業・バイト」問題で若者が気軽に相談できるよう、国と地方自治体が協力して相談窓口を設置・拡充することを求めました。
厚労省側は「分かりやすい教材の提供に取り組む。自治体との連携はまだまだ不十分なので、引き続き検討する」と答えました。
奨学金でも具体案示す
わたなべ氏は、異常に高い大学の学費の引き下げ、奨学金の改善へ要望書を、馳浩・文部科学相宛てに提出。①返済不要の月額3万円の給付制奨学金の創設②新規に貸与する奨学金を無利子にし、在学中の学生には有利子奨学金を無利子奨学金に「借り換える」制度をつくり、国が利子を負担することで全員の無利子化を図る。③国立も私学も10年間で授業料を半減させる――の3点を求めました。
文科省側は「給付制奨学金については皆さんと気持ちは一緒」としつつ、実現には財源問題などの課題があると答えました。
わたなべ氏は「『気持ちは一緒』との回答は心強い。聞き取り調査でも奨学金問題は本当に切実」と述べ、現在の受給者の半数を当面の対象にするという同党の提案も、検討の指針になると語りました。
政府交渉には山下芳生副委員長・参院議員、穀田恵二、宮本岳志各衆院議員も駆け付けてあいさつしました。
病気療養から復帰した大門氏は「短い時間だったが、今回で終わりにせず、近畿ブロックを通して引き続き交渉し、一つ一つ成果を勝ち取ろう」と参加者を激励。わたなべ氏とともに参院選で必ず勝利する決意を語りました。
(大阪民主新報、2016年4月24日付より)