政策・提言・声明

2016年04月28日

わたなべ結はよびかけます 「消費税10%はきっぱり中止」の声を大阪から

「消費税10%はきっぱり中止」の声を大阪から

2016年4月28日 わたなべ結(日本共産党大阪府委員会・青年学生委員会責任者)

 

日本共産党大阪府委員会の「1000人調査」から

(1)

 日本共産党大阪府委員会は4月4・5の両日、府民1000人インターネット世論調査をしました。「10%増税」には「ただでさえ消費が滞ってるのに、これ以上あげると前より余計冷え込む」(31歳女性)、「税率を上げても税収が減るから意味がない」(44歳男性)などの声が書き込まれ、「当面延期すべき」が36.9%、「中止すべき」が18.5%、「5%に戻すべき」が29.0%(あわせて84.4%)にのぼる一方、「実施すべき」はわずか15.6%でした。

 また、「8%増税が良かった」はわずか3.5%。「良くなかった」が52.9%でした。「良くなかった理由」では、「くらしに悪影響」が62.8%、「景気を悪化させたから」が52.6%でした。増税によってくらしも、大阪経済も壊されていることが鮮明に示されました。

 こうした府民の声と願いを受け、私は4月18日、日本共産党大阪府委員会がおこなった政府交渉の際、安倍晋三首相に「消費税10%増税の中止と負担能力に応じた税制改革を求める」要望書を提出しました。

 

消費税増税――大阪にとっての3つの大問題

(2)

 消費税増税は、大阪府民のくらしと景気を壊す3つの大問題があります。

 第1に、最悪の「くらし破壊税」になることです。

 3月に公表された大阪府民経済計算でも消費税が8%に増税された2014年度の実質成長率は横ばい(0%増)で、「消費税増税に伴い消費が冷え込み、民間最終支出の減少が見られた」とされています。また、大阪市の家計消費支出は、全国以上に落ち込み、8%増税の打撃の大きさが見られます。

 「1000人調査」でも、増税のために「買い物を控えた」との声が半数近くにのぼり、反面「医療費」「教育費」などは減らしたくても減らせず、家計を大きく圧迫している現状がうきぼりになりました。

 さらに10%増税となれば、1世帯あたり62000円、府民全体で約2400億円もの負担増になります。

 第2に、消費税は低所得者ほど負担が重く、その増税は「格差と貧困拡大税」となることです。

 消費税はそもそも「低所得者ほど重い負担」という逆進性をもつ不公平税制です。加えて大阪の昨年の実質賃金は4年連続で減っています。2007年~2013年度の雇用者報酬、府民所得は全国以上に落ち込んでいます。「1000人調査」でも、「年収は300万円以下」という方が5割をこえています。

 また雇用面で、企業にとっては、「派遣労働者を増やせば消費税が減らせる」(「仕入れ時の支払い分」に派遣社員の受け入れ分を算入できるため)という仕組みのため、雇用破壊に拍車がかかります。

 さらなる増税が大阪府民の「格差と貧困」を大きく拡大することは目に見えています。

 第3に、消費税増税は、中小企業の街・大阪で、家計消費を冷え込ませるとともに、消費税を転嫁できない中小業者を痛めつけ、二重三重に「景気破壊税」「商都大阪破壊税」となります。

 中小企業は、消費の冷え込みによる売上減に加えて、価格転嫁できず、身銭を切って納税せざるを得ない事態に直面します。大阪商工団体連合会の事業者1万調査でも、8%増税時に「転嫁できていない」は、62.9%にものぼっています(全国は56.3%)。大阪シティ信用金庫の調査(2014年6月)でも、「全額転嫁できていない」は55%となっています。「軽減税率」が導入されるなら、飲食店などでは逆に納税額が増えるという問題もかかえます。

 「仕入れには消費税を払っていますが、その分をお客様からは頂けない」「商品の値段が上げられないので仕入単価ばかり上がり利益も少なくなっている」「税金支払いのために働いている感じ」などの切実な声が寄せられます。

 

わたなべ結はよびかけます

(3)

 私は、府民のみなさんによびかけます。

1、大阪の経済、くらし、雇用、中小企業を壊す「10%増税」は、きっぱり中止させましょう。

2、「税金は負担能力に応じて」の原則にたって、富裕層と大企業に応分の負担を求める公正で民主的な税制改革を行いましょう。4兆円もの大企業減税ばらまきをやめ、研究開発減税など大企業優遇税制の抜本的見直し、所得税の最高税率の引き上げ、高額の株取引や配当への適正な課税をし、消費税に頼らない別の道でくらしを支える財源をつくりましょう。

3、ごく一部の大企業・富裕層だけが恩恵を受けながら、実質賃金は低下するなど破たんがはっきりした「アベノミクス」にピリオドをうち、消費税10%増税を中止し、経済の最大のエンジンである家計をあたため、景気を回復させましょう。大阪に本社をもつ大企業(資本金100億円以上)だけでも内部留保は32兆円にのぼります。その1・7%をとりくずすだけでも月2万円以上の賃上げができます。中小企業の社会保険料負担の軽減などの支援と一体で、最低賃金を時給1000円にし、さらに1500円をめざし、くらしを安定させ、豊かな大阪にしましょう。

 「戦争法廃止」「安倍内閣打倒」などをうたった画期的な「野党合意」以後、くらしと経済をめぐっても、国会に野党共同で「介護・福祉職員賃上げ法案」「児童扶養手当拡充法案」「保育士処遇改善法案」「長時間労働規制法案」がだされました。市民が声をあげれば、政治は動かせます。不公平税制の改革とくらし最優先で日本経済再生をはかる経済改革で、消費税増税しなくても社会保障を支える財源はつくれます。

 「消費税増税はきっぱり中止を」――この声を大阪から大きく広げ、くらしと景気回復へ、政治の転換をご一緒に実現しょう。

以上

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