「都」構想の復活 許さない
市営地下鉄・バス民営化が重大局面
よくする会が代表者会議 大阪市をよくする会(よくする会)が3日、大阪市中央区内で2016年度第1回の地域・団体代表者会議を開きました。吉村維新市政が狙う市営地下鉄・バスの民営化が重大局面を迎え、「大阪都」構想の復活に向けた動きが始まる中、秋以降の運動の意思統一の場として開かれたもので、44人が参加しました。
有権者の思いに寄り添って
日本共産党の駒井正男府書記長が「参院選の確信点を維新政治転換のたたかいへ」と題して報告。参院選では安倍晋三首相を先頭にした野党攻撃・反共攻撃を打ち破って11の1人区で野党統一候補が勝利するなど、安倍暴走政治を許さない野党と市民・国民の共同が第一歩の成果を上げたと強調しました。
維新とのたたかいを進める上で、有権者の思いに寄り添いながら①国政での維新の立ち位置(改憲与党、安倍政権の補完勢力)をあぶり出す②維新の「大阪改革」の幻想を打ち砕き、本当の大阪改革の展望を示す③野党共闘と反維新共同を府内全域で構築する④草の根で維新を打ち破る強大な組織力とネットワークをつくる⑤一つ一つの中間選挙で維新を打ち破る――の5つの活動に全力を挙げようと語りました。
政治変える鍵は共同にある
大阪選挙区では、街頭宣伝で日本共産党の渡部結氏と民進党の尾立源幸氏がそろった街頭演説が6回行われるなど、「複数区である大阪で、野党共闘の流れがはっきり示された」と指摘。住民投票以来の「反維新」の共同が「反安倍」の共同に発展し、関西市民連合はじめ多くの市民団体・個人が立ち上がるという画期的な広がりがあったと力説し、「安倍政権を打倒し、政治を変える鍵は共同=統一戦線にある。よくする会の3つの力(論戦の力、共同の力、草の根の力)を本格的に発揮していこう」と語りました。
特別区でミスリードを狙う
大阪市政の焦点を報告した同党大阪市議団の瀬戸一正団長は、8月末から来年2月まで市内全24行政区で「総合区・特別区説明会」が開かれるが、実体は「大阪都」構想への支持を広げるキャンペーンだと指摘。地方自治法改正で設置が可能になった「総合区」は区の役割を拡充し、住民自治を強化する目的があるが、「副首都推進局」の「総合区」素案では現在の24行政区の「合区」を前提にしており、区長権限の強化や事務配分だけが示され、「住民自治の強化という視点も皆無だ」と述べました。
瀬戸氏は、説明会でこの素案とともに、住民投票で否決されて存在しない「特別区」の協定書を行政が説明することは間違っていると強調。「政令市の一部としての『総合区』と、都区制度の下での『特別区』だけを比較するのは、『特別区の方が良い制度』だとミスリードするものだ」と批判し、住民投票で広げた市民の共同を発展させようと呼び掛けました。
また、吉村市政の「市政改革プラン2・0」では、温水プールや体育館などの統廃合方針は変わらず、地下鉄や市バス、上下水道、幼稚園・保育所などの民営化を推進することが基本で、「大阪市の実質的解体の総仕上げを狙うものだ」と述べました。
よくする会の福井朗事務局長は当面の取り組みを提起した中で、「総合区・特別区説明会」について説明しました。
各区の説明会で問題指摘を
福井事務局長は①住民投票で決着した「特別区」をそのまま、また説明会で持ち出すことは行政としてあるまじき行為②「総合区」と「特別区」は比較の対象にならない③「特別区」には区長選や区議選はあるものの、街づくりの権限はなくなり、国民健康保険の減免制度や市営住宅が維持できなくなると指摘。こうした問題点を、説明会に参加して指摘するとともに、住民投票のときのように市民共同の取り組みを進めようと述べました。
出席者からは「総合区」制度についての質問などが出されたほか、「12の小学校と5つの中学校を、4つの小中一貫校に統合する計画が一方的に示され、怒りや不安が広がっている。住民投票で町会の人々と共同した力を生かし、運動を広げたい」(生野区)などの発言がありました。
(大阪民主新報、2016年8月14日付より)