おおさかナウ

2016年09月11日

府立4高校、統廃合へ
府教育委員会議 11月に最終決定
子どもの実態考えない暴挙

 府教委は5日に教育委員会議を開き、入学者の募集停止をする府立高校を新たに選定しました。維新の会が主導し制定した、3年連続定員割れした府立高校を廃校の対象にするとする府立学校条例や、府立と大阪市立の計7校を廃校にする学校統廃合計画に基づくものです。会議を傍聴した対象校の保護者らは、「子どもたちのことを全く考えていない」と批判しています。

 西淀川高校(大阪市西淀川区)を2017年度入学者から、北淀高校(同市東淀川区)を18年度入学者から募集停止し、18年度から北淀高の校舎を使用するエンパワーメントスクールを設置。大正高校(同市大正区)と泉尾高校(同)を18年度入学者からそれぞれ募集停止し、同年度に泉尾高の校舎を使用する新たな高校を整備するとしています。11月の教育委員会議で最終決定されます。
 西淀川高校と北淀高校は直線距離で約11キロメートル。西淀川高校の生徒の約7割が自転車通学だといい、西から通う生徒は通学距離が大幅に伸びることになります。
 保護者の郡山麻理さんは、「通学する生徒のことを全く考えず、紙の上でしか見ていないと感じる」と話します。

学ぶ権利奪う高校つぶし 府高教が撤回求める

 大阪府立高等学校教職員組合(府高教)の志摩毅執行委員長は、府立高校統廃合方針を受け、「学ぶ権利を奪う高校つぶしは撤回せよ」とした抗議声明を発表しました。
 声明では、「『学ぶ権利』を保障するために設置されている公立高校に『定員割れ』があるのは当たり前」だとし、「それを理由に学校をつぶすなどの異常な対応は他府県には見られ」ないと指摘。
 大阪の府立高校は全国から突出して大規模となっており、学級定員も40人に据え置かれたままだとし、「教育条件の整備に逆行し、子どもたちを過酷な受験戦争に追い込み、競争の下位に置かれた子どもたちを切り捨てるやり方は、公教育の役割を投げ捨てるものであり、きわめて不当」だと述べた上で、「父母・府民との共同をさらに広げ、道理のない高校つぶし撤回のたたかいに全力を挙げ」るとしています。

 日本共産党大阪府委員会文教委員会責任者の小林裕和さんは、府立高校統廃合方針について5日、次の談話を発表しました。

府立高校統廃合方針について

2016年9月5日 日本共産党府文教委責任者 小林裕和

一、大阪府教育委員会は本日、府立大正高校と泉尾高校を統廃合する方針を決めました。来年度から募集停止される府立西淀川高校は北淀高校と統廃合するとしました。
 これは、地域住民と学校関係者の高校存続への切実な願いに背を向けた統廃合の押し付けです。憲法に保障された子どもの学習権を奪うものであり許されません。
 私たちは、府立高校統廃合方針を撤回することを強く求めます。同時に、府立高校・大阪市立高校7校廃校計画の撤回を重ねて求めます。

一、今回の方針は、“3年連続定員割れの高校は「再編整備」する”府立学校条例などに基づくものです。
 この4年間、公立・私立高校の募集人数は、子どもの高校進学を保障する観点から学校関係者の合意で、府内進学予定者数より3000人以上多く確保されてきました。
 そのため、入学定員に満たない高校が一定数生じることは当然です。これらの高校は、子どもの教育にとって重要な役割を果たしており、存続・発展が必要です。
 入学定員を満たしているかどうかを高校存廃の基準にせず、府立学校条例の「再編整備」条項は撤廃すべきです。

一、いま、府の教育行政に求められるのは、府民の切実な教育要求に応えて、公立高校受け入れ枠を増やすことや、35人学級を高校に拡大することなど、教育条件を良くすることです。
 日本共産党は、安倍政権の補完勢力である維新の政治による高校廃校計画に反対し、府民・学校関係者と力を合わせて、高校を守り発展させる運動を進める決意です。


(大阪民主新報、2016年9月11日付より)

 

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