おおさかナウ

2016年09月25日

本物の改革を語り 維新政治・安倍暴走と対決
共産党府議団 9月議会前に懇談会

 

 日本共産党府議団は9月議会(9月27日〜12月20日)を前に府的団体との懇談会を開きました。朽原亮幹事長・政調会長は、松井一郎知事と与党・大阪維新の会による府民施策切り捨てや「副首都」構想・「大阪都」構想による大型開発推進の狙いなどを報告。33団体60人が参加しました。

松井府政「副首都」「都」構想に躍起

経済落ち込みと貧困深刻に

共産党府議団と府的団体との懇談会=14日、府庁内

共産党府議団と府的団体との懇談会=14日、府庁内

 報告で朽原府議は、維新政治の下で大阪は、全国や近隣府県、他の都市部と比べて、経済の落ち込みや子どもの貧困化などが深刻になっていると指摘しました。
 県民総生産は2007年度から13年度までで、全県平均0・1%増で大阪は2・7%減。雇用者報酬は全県平均5・3%減に対し大阪は8・8%減です。

 こうした状況が子どもたちの生活にも影を落としています。小学校から高校までの暴力発生件数は、維新府政誕生前の07年と14年を比較すると、全国的にはほぼ横ばいですが、大阪は約6900件から約1万100件へ大幅に増加し全国最多に。不登校の児童・生徒も増え、全国18位から6位に。中学から高校へ上る際に、不登校の生徒は全国では1千人当たり27・6人から15・9人に減りましたが、大阪は32人から31・3人と、ほとんど変わらないと朽原府議は指摘しました。

 児童虐待の対応件数(大阪市と堺市を除く)は担当職員1人当たり92件(08年)から141件(14年)と増大。過労死ラインの月80時間を大きく超える過酷な勤務実態、全国2位の子どもの貧困率も朽原府議は紹介しました。

次々と府民施策を切り捨て

 朽原府議は、維新府政が切り捨てた府民向け施策の一部を紹介。介護予防や地元中小業者の仕事増につながる高齢者住宅改造助成事業(年2億数千万円)を全廃。特養ホームは待機者が09年度から約3千人増える中で、建設補助を1床あたり100万円以上引き下げ。公害患者への死亡見舞金や障害者作業所などへの補助金、学校警備員など、高齢者や障害者など弱い立場の人のための施策切り捨ての一方で、事業費2500億円の地下鉄なにわ筋線など、無駄な開発をこれまで以上に推進しようとするのが維新府政であり、彼らが狙う「大阪都」構想・「副首都」構想だと述べました。

 府咲洲庁舎(旧WTCビル)購入改修などで137億円の無駄遣いをし、国政でも反国民的役割を果たしてきたと朽原府議は維新の会を批判。それが支持される背景には、貧困の深刻化による閉塞感や、自民党の失政、民主党政権の失敗などによる政治不信を指摘しました。維新の会が訴える「身を切る改革」について、「政党助成金にどっぷり浸かり、企業献金やパーティー券収入に依存」と告発。松井知事の退職金廃止も、「実際は退職金前払いで、4年間で受け取る額は348万円増える」と述べました。

府民に目を向けた施策なく

 9月議会では約368億円の補正予算案が審議され、うち約359億円は国の経済対策に伴うもの。それ以外では「副首都構想の具体化ばかりで、府民の暮らしに目を向けた具体策はあまりにも少ない」と朽原府議は報告しました。

 朽原府議は、維新は「副首都」構想に看板を掛け替え、「大阪都」構想に固執して、特別区か総合区かの選択を迫り、不要不急の大型開発やカジノ誘致の推進を図ろうとしていると指摘。副首都推進本部で、府立公衆衛生研究所と大阪市環境科学研究所との統合・独法化が議論され、基本構想策定費約800万円や中期目標の変更などを提案。産業技術研究所や大学などの統合も議論されています。

 福祉医療費助成は、対象に難病患者や精神疾患に広げますが、費用増大を患者負担で賄う方向を示しています。朽原府議は、年間20〜30億円の予算があれば、患者負担を増やさず制度を拡充できると指摘しました。

異常なまでの「高校つぶし」

 府立高校は、西淀川高校と北淀高校、大正高校と泉尾高校を統廃合し、能勢高校は豊中高校の分校とする方針が、11月の教育委員会議で決定されようとしています。
 朽原府議は「西淀川は入学者数が200人を超えた14年度から募集定員数が240人となり、定員割れが続いた。維新の会の府議が議会で『6クラスが適当だ』と主張してきたことを受けての、高校つぶしのための定員増であれば、本当に許せない」と述べました。
 朽原府議は「教育では少人数学級や中学校給食。子育て支援では医療費助成の拡充や保育所待機児童の解消。公共事業のあり方でも、地域密着型の福祉と防災のまちづくりの公共事業への転換こそが必要だ」と述べ、「本当に必要な改革を語り、維新政治と安倍政権を打ち破る取り組みを強めていかなければならない」と呼び掛けました。

暮らしを優先し財源確保を

 毎年積み増してきた1600億円を超える財政調整基金や、減債基金の復元を仮に4年先に伸ばすことで毎年約98億円の財源が浮き、マイナス金利政策で負債の金利も下がっているとし、「府民の暮らし優先の姿勢に立てば、財源は確保できる」と述べました。

各団体が要求・意見・運動交流


 団体からの発言では、府精神障害者家族会連合会は、福祉医療費助成制度の対象拡大を「一定の前進」としながら、「精神保健福祉手帳1級だけでなく2級も含めてほしい」と述べました。「精神障害は多くの場合、20歳前後で発病し、親はすでに高齢。病気に対応できるときには収入は年金ぐらいしかない」と訴えました。

 高校つぶしとのたたかいを最重視している府高教は、教育予算全体が減る中でも、府立高校の予算配分や人事で差をつけていることを報告。「他府県では定員割れするのは当たり前で、廃校要件とするのは大阪だけ。全国ではむしろ少人数学級にしていくのが流れだ」と述べました。

 府保険医協会は福祉医療費助成制度改定について、関係者の共同アピールを今議会中にしたいと述べました。

 大阪安保は沖縄県以外の各地でも米軍機オスプレイ配備が予定されており、「八尾空港も使われる可能性が十分ある。運動のレベルを上げ、府民に知らせる運動が大事だ」と呼び掛けました。

 文化団体連合会は、大阪の経済界や行政から文化予算が少ないことに危機意識が生まれていると紹介。「行政が、芸術文化の施設が地域経済に与える好影響の調査を」と求めました。母親大会連絡会や新日本婦人の会、住吉市民病院を充実させる市民の会などからも発言・要望がありました。

(大阪民主新報、2016年9月25日付より)

 

月別アーカイブ