「維新」政治どうみる Q&A
③「格差と貧困」の拡大
Q 「維新」で大阪は改革された?
大阪でなぜ「維新」の支持率が高いのか。参院選で「維新」に投票した人は、その理由に「大阪を変えた」「変えてくれるから」などを挙げています。「身を切る改革」などの宣伝文句や「野党ポーズ」から、そんな幻想も出るのでしょう。
しかし、「橋下さんが知事になって以来の8年、大阪のくらしや景気は?」と問うと、「良くなった」より「悪くなった」という声が多く返ってきます。
いくつかの数字をみてみましょう。
「維新」は府知事・大阪市長ダブル選挙などで、「年率2%経済成長させる」と公約してきました。ところが実際は、橋下府政前と比べると、大阪経済は4・4ポイントのマイナスです。同じ時期、全国平均はプラス2・4ポイントですから、その落ち込みぶりは鮮明です。働く人の所得(雇用者報酬)などの指標も全国以上に悪化しました。
「子どもの貧困」は全国ワースト2位に陥っています(山形大学の戸室健作准教授の研究によると「子どもの貧困率」は大阪21・8%、全国平均13・8%)。
「維新」は「財政を立て直した」とも宣伝しますが、大阪府の借金残高は橋下氏の就任前の2007年度5兆8288億円から、14年度決算では6兆3751億円に増えています。
これらの数字は、貧富の格差を広げた「アベノミクス」をはじめとする国の悪政と同時に、大阪で「維新」がくらしの施策切り捨てを進めてきた結果です。
橋下・松井府政の8年に、学校警備員補助の廃止、特別養護老人ホーム建設補助の削減、国民健康保険への補助金削減など、総額1551億円を削減しました。そのうえ、子どもなどの医療費助成の窓口負担の改悪を狙っています。大阪市では橋下市長の4年に、地下鉄・市バスの「敬老パス」有料化、国民健康保険料連続値上げ、新婚世帯への家賃補助の廃止など、総額709億円がカットされました。いま、地下鉄・市バス民営化による市民の足の切り捨てが狙われています。
安倍政権の暴走によるくらし破壊に追い打ちをかけ、府民の懐を冷え込ませ、「格差と貧困」を拡大してきた「維新」政治の責任は重大です。
「維新」政治どうみる Q&A
①「改憲反対勢力」つぶし
Q 参院選で「おおさか維新の会」が果たした役割は?
②行き詰まり大阪市解体へ
Q 大阪の「維新」はどこから生まれ、何を狙っているのか?
④異常な競争 教育破壊
Q 教育の分野では、私学無償化など、よくやっている?
⑤独裁的手法と破綻
Q 「独裁」というけれど、改革のスピードが違う?
⑦画期的な共同の勝利
Q 堺市長選挙や住民投票で「維新」を打ち破った原動力は?
⑧「異質の危険」に共同
Q 自民と共産・民進が組むのは野合では?