市営交通民営化・都構想もうやめて
大阪市議会特別委
制度いじりではなく 市政の中身の議論を
日本共産党 山中幹事長が主張
大阪市議会大都市・税財政制度特別委員会が10日開かれました。大阪市を残したまま区の権限を強化する「総合区」について市が考え方を説明。これを受けて各党が質問しました。
合区が前提の案
市の案では、現在の24行政区を8区の「総合区」に合区し、子育て施策や道路・公園の維持管理の権限を市から移すというもの。今年度末までに具体的な区割り案を作成し、ことし8月ごろに「総合区」の素案をまとめるとしています。
この日の委員会では昨年8月から全行政区で開いた「特別区・総合区」問題の住民説明会の結果も報告。参加者は2657人で定員の約3割。会場発言などで延べ約2400件の意見が寄せられ、「現24行政区のままが良い」「二度と住民投票はしないでほしい」などの声も多数あります。
同時進行は矛盾
質問に立った日本共産党大阪市議団の山中智子幹事長は、吉村洋文市長が「総合区を検討する」と言いながら、大阪市を廃止する特別区の設置のための法定協議会を提案し、同時並行で進めようとしていることは矛盾だと強調。吉村氏は「私は特別区論者だが、それぞれベストの案を決め、最後は住民が判断。私の中ではストンと落ちている。矛盾はない」などと答えました。
山中氏は、特別区設置は住民投票で否決され「決着がついた」と強調。「(橋下前市政で制度いじりに明け暮れて)失われた4年が8年にならないよう、『都』構想議論の画策はやめ、住民自治の徹底へ中身の議論に移るべき」と主張しました。
合意形成できぬ
「総合区」の市案について山中氏は、合区が前提であることを批判するとともに、「総合区」の事務、職員数、コスト、庁舎など、複雑で膨大な作業が必要だと指摘。検討に委ねられていると指摘。「これが大阪市のいちばん大事な緊急課題なのか。これでは市民は何がなんだか分らず、合意形成もできない。市民の暮らしが大変な中、安心できる市政への転換と住民自治の拡充こそ、時間をかけて議論すべき」と重ねて求めました。
この日の委員会では自民党議員からも、大阪市を残す「総合区」と、市を廃止する「特別区」と比べて議論することに道理がなく、「(特別区設置を否決した)住民投票こそ主権者の意思だ」などの批判がありました。
(大阪民主新報、2017年2月19日付より)