高すぎる国保料 値上げやめて
2年連続値上げで負担2割増へ 八尾市の国保料
1152人が直接請願 共産党は組み替え動議提案へ
八尾市が2年連続で国民健康保険(国保)料の約1割引き上げを狙っています。すでに加入者へ高額な決定通知書が送られており、16日には市役所に100人を超える市民が駆け付け、田中誠太市長に値上げをやめるよう求める直接請願書1152人分を提出しました。
高い国保料は凶器にもなる
請願署名は議会開会後には提出できないことから、「八尾市国保をよくする会準備会」の呼び掛けで今回の行動になりました。
準備会事務局次長の小松ひさし日本共産党府議候補は、「高い保険料は住民の命と健康を奪う凶器になりかねない。国の財政削減の影響は大きいが、住民に一番近い市は、できる努力を怠ってはならない。市長の政治決断が求められている」と話します。
八尾市が市長提案どおり保険料を引き上げれば、課税所得200万円の4人家族(40歳代の夫婦と子ども2人)で約42万円となり、昨年の約38万円から4万円上がります。昨年の引き上げと合わせると、2年間で約2割も負担が増すことになります。 引き上げ案を含む予算は、市議会最終日となる7月3日の本会議で採決されます。
基金取り崩しで据え置ける
日本共産党の越智妙子市議は、62億円に上る財政調整基金の4%を取り崩せば、保険料を据え置くことができると主張します。
田中市長は3月の市議会では、「国保料引き上げを抑えるため、最大限の努力をする」と答えていましたが、その後一転して値上げを提案しました。
自公民が賛成して値上げへ
委員会では、日本共産党の越智市議と内藤耕一市議、無所属市議の3人が市長提案に反対しましたが、自民、公明、民主系の3人が賛成し、委員長採決で可決されました。
越智市議は、「市民の実態を見ていない」と批判しました。市の製造業実態調査(昨年5~9月)では、約8割が08年12月のリーマンショック以前の業績に回復していません。
せめて据え置くよう努力を
市はかつて、経済状況の悪化と市民の状況を理由に2009~11年の保険料を据え置いてきました。
越智市議は、「当時よりも悪化する。『最大限の努力をする』と言うのなら、せめて据え置くべきだ」と述べ、本会議で予算の組み替え動議を提案することを表明しました。
(2014年6月29日付「大阪民主新報」より)