正蓮寺川公園一部オープン
住民と日本共産党の運動の成果
高速道路の排ガス封じ
緑あふれる憩いの場に
大阪市此花区の正蓮寺川公園の一部が4月、オープンしました。排ガスをまき散らす高速道路の都市計画を変更させ、大規模な公園が実現するのは全国初。地元住民と日本共産党の長年の運動の成果です。
全体の広さは靭公園に匹敵
同公園は、阪神高速道路・淀川左岸線1期のうち、2013年5月にトンネル構造で開通した旧正蓮寺川区間の上にできる延長2・3㌔㍍、広さ約19㌶の都市計画緑地です。今回開園したのは、此花区の千鳥橋の東側230㍍、約1・4㌶の区間。全体が完成すれば大阪市西区の靭公園に匹敵する広さとなります。
開園部分には大きな芝生広場があり、歩行者・自転車専用道路沿いには桜並木、南側にはケヤキ並木があり、今後、トイレや健康広場も整備予定です。
世論と運動で都市計画変更
高速道路計画が発表されたのは1985年で、当初は排ガスをまき散らす「堀割構造」で、そのまま86年に都市計画決定されました。日本共産党は住民とともに「正蓮寺川区民の会」を結成。公害持ち込み反対の署名を1万5千人分集るなど世論と運動を背景に、89年の大阪市議会で道路構造の「全面フタかけ」を求める決議が全会一致で可決されました。
91年には「区民の会」事務局長だった日本共産党の瀬戸一正氏が大阪市議に初当選しました。瀬戸市議は、全面フタかけを求めて4年間で17回質疑し、他会派から「フタかけ議員」と呼ばれたほど。議会活動と同時に同党の宮本岳志参院議員(当時)らと協力して国土交通省や環境庁(当時)にも繰り返し働き掛け、02年には「全面フタかけ」=「トンネル構造への都市計画変更」を勝ち取りました。
09年から11年にかけて、高速道路の喚起所にNO2(二酸化窒素)を除去する脱硝装置の設置を求める8600人分の署名を集約。此花区選出の府・市議会議員連名の要望書も提出し、関西で初めて設置させました。
続く公園整備市民のために
4月2日の開園記念式典では瀬戸市議や辰巳孝太郎参院議員も参加。あいさつした瀬戸市議は「公害対策のために都市計画を変更したというのは、恐らく日本中探しても例がない。日本一の公害対策です」と発言しました。
18年度までは千鳥橋東側の引き続く建設が進み、19年度からは2期工事として千鳥橋西側が整備される予定。千鳥橋の西側には「イベント広場」もできます。
瀬戸市議は「公園を取り囲むコンクリート壁の撤去やせせらぎの実現という課題も残ります。自動車公害を封じ込めた公園として、此花区民と大阪市民のための豊かな緑と憩いの場にして、21世紀にふさわしい大阪の街づくりに貢献したい」と抱負を語ります。
公園のすぐそばに暮らす井本接子さん(88)は此花区に住んで62年。「住み始めたころはまだ川が流れていました。高速道路ができると聞き、公害まき散らしは反対だと、私も必死で署名を集めました。自分が生きているうちに、こうして本当に公園ができて感無量」と話しています。
(大阪民主新報、2017年4月30日・5月7日付より)