自公維〝改憲3兄弟〟に審判を
日本共産党街頭演説 小池晃書記局長が力説
日本共産党の小池晃書記局長が14日、衆院大阪5区内の大阪市淀川区と西淀川区で街頭演説しました。小池氏は、安倍晋三首相が憲法違反の安保法制=戦争法を強行したのに続き9条改憲を明言するなど「戦争する国」に暴走していると批判。「総選挙は、安倍政権を支える自民・公明、これを応援する維新に対し、野党と市民の共闘で政治を変える選挙」と力を込めました。(当日の動画はこちらをご覧下さい)
海外で無制限に武力行使できる
――9条の改悪
小池氏は、安倍首相が憲法9条に自衛隊を明記し、2020年に施行すると発言したことは、国務大臣・国会議員などの憲法擁護・尊重義務を定めた憲法99条違反だと指摘。「重大なのは、憲法に自衛隊を書き込んだ途端に、文字通り無制限に海外で武力行使できるようになることだ」と批判しました。
小池氏は、この日の街頭演説に先立って出演したNHKテレビの「日曜討論」での各党の主張を報告しました。公明が「1項2項を残したまま3項に自衛隊を明記」する安倍首相と同じ考え方が党内にあると語り、維新も9条改憲に賛成だとし、「自民、公明、維新の悪政3兄弟が、ついに改憲3兄弟になった。総選挙で審判を下し、憲法9条を守り抜こう」と呼び掛けました。
9条を生かした平和外交今こそ
――北朝鮮問題
小池氏は維新が「高等教育無償化」を理由に改憲を掲げ、安倍首相がこれを受け入れたことに対し、「憲法に書かなくても高校・大学の授業料・学費の無償化はできる。問われているのは政治の意思。国立大学の運営費交付金や私学助成を削り、学費を上げてきたのが自民党。改憲の理由に教育を使うのは卑怯なやり方だ」と述べました。
さらにこの日、北朝鮮が弾道ミサイルを発射したことに厳しく抗議。北朝鮮の核・ミサイル開発をやめさせるため、世界で対話による解決の流れが広がっている中で、軍事的対応を叫んでいるのは安倍首相だけだと述べ、「憲法9条を生かした平和外交が必要。『9条を守り、本気の平和外交を』との願いを日本共産党へ託してください」と訴えました。
内心の自由侵す憲法違反の法案
――共謀罪法案
「共謀罪」法案について小池氏は、実際の犯罪がなくても相談・計画・合意だけで処罰する、国民の内心の自由を侵す違憲の法案だと強調。維新の修正案に自公が合意したが、取り調べ時の録画などを「今後の対応を検討する」という方針を規則に盛り込むだけだとし、「何の意味もない修正を出して最後は賛成する。これが維新のお家芸だ」と批判しました。
また戦前の治安維持法によって日本共産党だけでなく平和運動家や宗教者も弾圧され、創価学会の初代会長は投獄・獄死し、二代会長も逮捕されたことを紹介。「ところが今、国会で共謀罪推進の先頭に公明党が立っている。現代版治安維持法・共謀罪を許さず、自民・公明・維新に審判を下そう」と語りました。
幕引き許すことなく証人喚問を
――森友学園疑惑
小池氏は「森友」問題について、安倍首相夫人の昭恵氏が国有地売却の土地取引に関与したのではないかという疑惑にまで発展していると強調。「安倍政権と維新が森友学園を応援し、国有地払い下げを進めてきた。その責任を棚上げにすることは許さない」と、幕引きを狙う自公維を批判し、昭恵氏や松井一郎知事(日本維新の会代表)の証人喚問が必要だと主張しました。
小池氏は、幼稚園児に「教育勅語」を暗唱させた森友学園の教育内容を安倍夫妻が礼賛し、安倍政権が「教育勅語」復活を狙い、教材使用を容認する閣議決定を行ったことを告発。「森友学園で行われたことと、『戦争する国』づくりは重なっている」と述べました。
共産党躍進が未来を変える力に
また小池氏は、安倍政権や維新がカジノを経済政策の目玉にしようとしていることは「あまりに無節操」と強調し、「国民の暮らしを本気で温める本気の経済政策をご一緒に進めましょう」と呼び掛けました。
「あらゆる分野で安倍政治の破綻は明らか」と小池氏。野党と市民の共闘で安倍政権を倒し、新しい政治をつくるためにも、日本共産党の躍進が求められているとし、「異常なアメリカ言いなり、大企業中心の政治を変える綱領を持ち、企業団体献金も政党助成金も受け取らず、皆さんの願いをまっすぐ国会に届けるのが日本共産党。この党を強く大きくすることが日本の未来を変える力になる」と締めくくりました。
街頭演説では北山良三大阪5区候補が決意表明し、西淀川区では瀬戸一正大阪市議団長が訴えました。西淀川区で演説を聞いたパート労働者の女性(36)=大阪市北区在住=は、「憲法記念日に安倍首相が9条改憲を言いだしたことに怒りと不安でいっぱいでした。小池さんや北山さんの話を聞いて、日本共産党の躍進でまっすぐな政治をつくれるという勇気をもらいました」と話していました。
(大阪民主新報、2017年5月21日付より)