「共謀罪」は必ず廃案に
修正案を衆院通過させた自民・公明・維新に怒り
共同のたたかい広がる
安倍政権が23日の衆院本会議で、国民の内心を処罰する違憲の「共謀罪」法案の採決を強行。修正案が自民、公明、維新の3党の賛成で衆議院を通過しました。政府の説明不足や今国会での成立に反対する世論が多数を占める中での暴挙です。「共謀罪」法案を必ず廃案に追い込もうと、19日の衆院法務委員会での強行後、大阪弁護士会主催の大集会とデモが行われるなど、各界・各地で立場を超えた共同のたたかいが広がっています。
集会・デモに4千人が
大阪弁護士会
大阪弁護士会が21日、大阪市西区の靭公園で開いた「共謀罪反対5・21大阪大集会」には約4千人が参加。集会後、御堂筋を難波までパレードし「共謀罪廃案!」「テロ対策うそや!」「メールもラインも見るな!」「監視社会はいやや!」と唱和しました。
開会あいさつした大阪弁護士会の小原正敏会長は、「共謀罪」法案について、人権を守る刑法の基本的原則と相容れないと強調。多くの論点が残っている中での採決に抗議し、「廃案へ力を合わせて取り組もう。心一つに意見を表明しよう」と呼び掛けました。
政党や市民団体の代表などが発言し、この中で日本共産党の辰巳孝太郎参院議員、社民党の照屋寛徳衆院議員が決意表明。民進党の平野博文衆院議員と辻元清美衆院議員が連帯メッセージを寄せました。
日本ペンクラブの浅田次郎会長もメッセージを寄せ、「人は死んでも法律は残る。私たちは後世に悪法を残してはならない」と「共謀罪」法案に反対を表明しました。
閉会あいさつで大阪弁護士会共謀罪対策プロジェクトチーム座長の伊賀興一弁護士は、「廃案にするには何をすればいいか。市民生活を監視するこの法案を知らせよう。テロ対策といううそ、一般市民は関係ないといううそをそのまま通してはならない。そのうそを暴けば必ず勝利はある」と力を込めました。
京都市の男性(52)は、衆院法務委員会での強行採決に抗議する「しんぶん赤旗」の切り抜きを拡大コピーした手作りのプラカードを持って参加しました。「民主主義を破壊し、戦争する国づくりを進めるこの法案は、絶対通すわけにはいかない」と話していました。
共謀罪に〝重大な欠陥〟
歴代会長17氏が緊急声明 大阪弁護士会
大阪弁護士会は21日、歴代会長17氏による「『共謀罪』法案について十分な慎重審議を求める会長経験者の会」の緊急声明を発表しました。
声明は、「共謀罪」法案には立法の具体的必要性にさまざまな見解があり、刑事法規である以上、処罰範囲が明確でないことは重大な欠陥だと指摘。市民生活の監視を前提とし、市民の自由を大きく制約するものだと批判し、法案の成立ありきではなく、十分に審議を重ねることを求めています。
大阪弁護士会主催の大阪大集会で山口健一前会長は、「国民の思想・信条の自由、プライバシーを侵害する憲法違反の共謀罪を許すわけにはいかない」と訴えました。
(大阪民主新報、2017年5月28日付より)