政策・提言・声明

2017年06月25日

どうなってる 公明党

 安倍暴走のアクセル役

 「最近の公明党。一体どうなってんの?」。東京都議選へ支援にいってきたというある創価学会員がこうつぶやきました。

 国政では「自公維」連合、東京では都民ファーストと選挙協力、大阪では維新にすりより――さすがにこの変転ぶりは目に余るのでしょう。

  異常な強行劇となった「共謀罪」法。国会論戦が進むにつれ、国民の反対世論は急速に高まりました。しかし公明党は批判に耳を傾けるどころか、反対世論を敵視しました。大阪5区選出の国重徹衆院議員は、衆院法務委員会で、弁護士団体配布のビラを「デマで国民の不安をあおり、言論を萎縮させている」と攻撃。公明新聞では、「不安をあおる『印象操作』に終始」などと、安部首相の受け売りで悪罵を投げ続けました。

 最たるものは深夜の参院本会議。答弁が二転三転、その資格と能力が問われた金田法務大臣を公明党佐々木さやか議員が、「誠実かつ真摯(しんし)な答弁をおこなうなど国民のために尽くし」と天まで持ち上げた討論でした。テレビから「これは自民党への皮肉?そうでなければバカだ」との言葉が投げつけられました。

 国会周辺では、「牧口先生(創価学会初代会長)を獄死させ、戸田先生(2代会長)を苦しめた現代の治安維持法に全く間違いない」と創価学会員が危惧を語り、三色旗が揺れていました。(5月29日放映のTBSテレビ「報道特集」)。しかし、この叫びは公明に届かず、秋野公造参院法務委員長を”強行劇”の矢面に立たせては都議選に悪影響を与えるとの打算でしょうかの。自民党と「中間報告ー強行採決」のシナリオをゴリ押ししました。

 北側一雄副代表(衆院大阪16区)は、安保法制整備のおかげで「憲法9条改正は遠のいた」とうそぶきます(「産経」2月20日付)が、その2ヶ月後の5月3日に安倍首相は9条改憲を明言。同日、改憲派の集会に桜井よし子氏や自民、維新とともに出席した遠山清彦衆院議員は、“学会婦人部をどう説得するか”と問われると、「(改憲を)決めた時は説明を、自信を持ってさせていただきたい」と発言しました。 今度もまた「暴走のアクセル役」でしょうか。二見伸明元公明副委員長はツイッターで「平和と福祉の公明は…右翼に変身してしまった」と厳しく指摘します。

 経済政策でも、佐藤茂樹府連代表(衆院大阪3区)は「アベノミクスの効果が中小企業、家庭では実感に乏しい」と語る一方で、今後の対策は「国家戦略特区」「1億総活躍社会」など、安倍政権の肝入り政策一辺倒です(3/30「産経」)。

 大阪では維新にすりより

 公明党は国政では「自公維」連合、大阪では「維公」一体ぶりを強めています。

 昨年末、わずか6時間の国会審議で可決させたカジノ解禁(IR)法案。党内に反対論が強く「自主投票」となったもとでも、佐藤茂樹府連代表(大阪3区)ら大阪選出の議員全員は賛成しました。報道では、「維新」と急接近する官邸からの”揺さぶり”があったと言われます(「毎日」2016年12月3日付)。

 この日発足したIR推進議員連盟に大阪から名を連ねたのは、佐藤茂樹、伊佐進一(大阪6区)両氏。伊佐氏は自身のブログで「IR法案に賛成した理由」について、「押し上げられるGDPは9500億円、IR運用で生み出される雇用者数は7万7500人…税収は3400億円」など米企業の調査結果をあげ、その経済効果を説いています(16年12月7日)。しかし、人の不幸を踏み台にする賭博の何が「経済効果」でしょうか。公明党の支持者の約8割がカジノ反対(「共同通信」)といわれるなかで、きわめて大きな矛盾に直面せざるを得ないでしょう。

 住民投票から2年目となる大阪府市議会。ここで「大阪都」構想の設計図をつくる法定協議会の設置議案が再び提案され、維新と公明の賛成で可決されました。”都構想には反対”とする公明党が、「総合区について議論する」という理由から賛成に転じたことについて、メディアからは、「総合区は条例で設置できるため協議会で取り上げる必要はなく」「わかりにくい」との指摘がでています(「毎日」5日付社説)。

 森友疑惑が大きくクローズアップされた3月府議会で公明党は、”認可ありき”で動いた府や私学審議会への疑惑、政治家の関与など肝心の問題についての質問を一切せず、かたくなに沈黙を守りました。

 さらに、維新が森友学園の小学校建設の請負業者から献金を受け取っていた事実を示しての共産・宮原威府議の追及に、維新議員とともに異常な妨害を加えたのも、百条委員会の設置議案を「時期尚早」などと否決したのも、公明と維新でした。その不可解さは、多くのメディアからさまざまな憶測を呼ぶものとなりました。

 森友と加計、国政私物化の大問題で、国では安部官邸、大阪では維新や知事に降りかかる火の粉を払いのける。平和や福祉、暮らしに関わる重大問題で、官邸や維新にすり寄ってガラリと態度を変えてしまう公明党。こんな政党が、国民に”希望がゆきわたる国”をつくることは、果たして可能なのでしょうか。

  (日本共産党大阪府委員会 政策委員会  大西淳子)

   (「赤旗」近畿面6月24日、25日掲載)

 

月別アーカイブ