おおさかナウ

2017年07月02日

新名神高速建設
相次ぐ事故で4人が死亡
共産党が工事現場を調査

死亡事故が相次ぐ異常な新名神高速道路の建設現場を調査する議員ら=6月22日、箕面市内

死亡事故が相次ぐ異常な新名神高速道路の建設現場を調査する議員ら=6月22日、箕面市内

 新名神高速道路の建設現場で6月19日、クレーンから落下した鉄板の下敷きになって作業員1人が死亡したことを受け、日本共産党の国会議員、地方議員らは同月22日に現地調査に入りました。清水忠史・堀内照文両衆院議員と辰巳孝太郎参院議員、石川多枝府議、高尾靖子豊能町議、大嶺さやか茨城市議、黒田美智川西市義らが参加。事業を進める西日本高速道路株式会社(NEXCO西日本)から調査状況について説明を受けました。

 事故が起きたのは6月19日午後0時10分ごろ。箕面市下止々呂美(しもとどろみ)の工事現場でクレーンから重さ約900キロの鉄板がフックから外れて落下し、下請け会社の社員(48)=同府高石市=が下敷きになって間もなく死亡しました。新名神の工事現場では昨年4月以降、事故が頻発しており、これまでに4人が犠牲となる異常事態です。

 昨年4月には神戸市北区で橋桁が約15メートル下の国道に落下し、作業員2人が死亡、8人が重軽傷を負いました。同5月には、今回の事故現場から約700メートル離れた場所で、橋桁を仮支えしていた支柱が下を走る箕面有料道路に倒れましたが、通行中の車両はなく、重大事故には至りませんでした。同10月には、兵庫県猪名川町で作業員が転落死しました。

 新名神は当初の工期を1年前倒しし、2019年の開通を目指しています。事故の度に工事はストップしてますが、開通時期は変えないとしています。その分、工期が短くなる恐れがあります。

 現地調査で対応した職員によると、昨年の事故を受けてNEXCO西日本は、安全監視専任の人員を配置していましたが、1人が担当する範囲が広く、今回の事故現場には不在でした。事故原因について職員は「調査中」と繰り返しました。

 清水議員は「安全対策よりスピードを優先したことが事故につながったのかどうか、あらためて検証する必要がある。またこれまでの事故を受けて取られた安全対策や教訓が生かされていなかったのではないか。原因究明されるまでは工事を再開するべきではなく、人命最優先で取り組むべきだ」と述べました。

(大阪民主新報、2017年7月2日付より)

 

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