2017年11月12日
拙速に進めるな
大学統合問題で石川府議
日本共産党の石川多枝府議は2日の府議会教育常任委員会で、府立大と大阪市立大の統合問題を「拙速に進めるべきではない」と述べ、教員や学生への丁寧な説明と、統合前に現場との議論を進めるよう求めました。
松井一郎知事は両大学統合により「全国ナンバーワンの公立大学となる新大学の実現を目指す」としています。
石川府議は府立大学への府の運営交付金を、統合後も現状維持するという府の姿勢を示し、交付金を増やす選択肢はないのかと松井知事に迫りました。知事は「新たな投資が必要な場合には、リターンとメリットが示された段階で精査する」と応じました。
運営交付金は施設整備補助金を足しても2006年からの10年間で約14億5千万円減っています。その中で人件費も削られ、教員数は2割減。教員1人当たりの学生数は増え、卒論指導や基礎研究継続も危うくなっているとの声もあります。
石川府議は学費負担軽減も求めました。府立大学授業料は国立大と同じですが、初年度納付金は学部ごとに違います。獣医学部では、実験機器や実習充実などの負担金を徴収し、初年度納付金が110万円に上ります。入学金は府外から通う学生は10万円高くなります。
石川府議は、府民生活は苦しく、シングルマザー世帯は年収200万円未満が61%という府の調査結果も示しながら、「100万円を超える負担は重い。学生の3分の1が奨学金を受けているが、卒業後はほとんどが借金となり学生に重くのしかかる」と訴え、授業料減免枠拡充や成績要件廃止などを求めました。
松井知事は「なぜシングルマザーの年収をここで話されたのかが分からない」などと、府民生活の実態に理解を示そうとしませんでした。
(大阪民主新報、2017年11月12日付より)