森友疑惑 「口裏合わせ」は動かぬ事実
国有地値引きで辰巳参院議員
日本共産党の辰巳孝太郎議員は11月30日の参院予算委員会で、国有地が森友学園にただ同然で売却された問題で追及しました。
参院予算委員会
適正とした政府と首相の責任は重大
辰巳議員は、「疑惑の焦点は、政府が架空のごみを補償し、森友学園にただ同然で国有地を売却したこと、背景に何があったのかということだ」と指摘。政府から独立した機関である会計検査院が、政府の値引きには根拠がないと断罪したことを示し、「政府が適正だと言ってきたものが適正でなかった」として安倍晋三首相の責任を正しました。
官僚への責任転嫁の答弁を繰り返す安倍首相に、辰巳議員は「総理は行政府の最高責任者だ」と批判し、徹底的な原因究明を求めました。
安倍首相は、「会計検査院の指摘は真摯(しんし)に受け止める」「予算編成に生かしていく」と述べるのみでした。
「架空のゴミ」の資料、国交省示せず
辰巳議員は、2016年3月下旬、財務省、国土交通省、森友学園が出席した会合で、小学校建設地の地下にないごみをあったことにして値引きの根拠にする様子を示した音声データの内容を示し、「地下深くまでごみがあったというストーリーで補償しようという口裏合わせ」だと指摘。
財務省の太田充理財局長は、指摘されたやりとりが「会話の一部が切り取られたもの」で、新たなごみ撤去費用についての資料提出を求めたものだったと繰り返しました。
辰巳議員は、3㍍より下にごみがあったことを示す資料の存在をただしましたが、太田理財局長は具体的な資料を示せませんでした。
地表に出てきたごみについての辰巳議員の質問に対し、会計検査院の河戸光彦院長は、「浅い部分に存在していたと考えられる」と答弁しました。
辰巳議員は、会合での国側と学園のやりとりについて、「口裏合わせ以外の何ものでもない。ストーリーに沿って8億2千万円の値引きが行われていることは動かしがたい事実」だと指摘。石井啓一国務相は、「口裏合わせではない」と強弁しました。
値引きの背景、昭恵氏の証人喚問を
辰巳議員は、同会合の直後に開かれたと思われる森友学園の会議メモの内容を示し、航空局と財務局の「ストーリー」として、「瑕疵(かし)を見つけていくことで価値を下げていきたい」とあるとし、「口裏合わせと一致する」と指摘。太田理財局長は「(メモは)学園側が作ったもので裏付けがない」と述べ、安倍首相も麻生太郎財務相も、まともに答弁しませんでした。
辰巳議員は、「これだけの恣意的な試算で、国有地をただ同然で売却した政府の責任は重大」とし、背景として、学園の新設小学校の名誉校長だった安倍昭恵首相夫人の証人喚問を求めました。
(大阪民主新報、2017年12月10日付より)