おおさかナウ

2017年12月10日

カジノ誘致をやめて 子育て・暮らし支援を
府議会決算特別委 宮原府議が指摘

 日本共産党の宮原威府議は11月16日から27日に府議会決算特別委員会で質問。教育・子育て支援の充実やカジノ誘致問題、防災、母子家庭や若者などの就労支援などの問題を幅広く取り上げました。

少人数学級拡大を図れ

 多くの都道府県が、教員加配のための国の予算を活用して少人数学級の拡大を実施したのに、府がしなかったことを指摘、改善を求めました。

 現在、府は35人以下学級を小学1~2年でしか実施していません。決算年度の2016年度に国の加配教員枠のおよそ2割を振り向ければ、小3から中1まで拡大できました。

 宮原府議は「少人数学級は府内市町村も独自に拡大し、成果を上げている。国の加配教員を活用するだけでできる。全国から大阪はうんと遅れている」と厳しく指摘しました。

IR集客は根拠がない

宮原威府議

宮原威府議

 カジノを核とした統合型リゾート(IR)の大阪誘致に向けた影響調査について、集客見込みが過大になっている可能性を宮原府議は指摘しました。

 調査ではIRが外国人約400万人と日本人約900万人を集客すると予想。これはシンガポールのIR訪問率をそのまま当てはめ、将来、大阪に観光に来る外国人のかなりの部分がIRに来場すると仮定するものです。

 宮原府議は「大阪に食や文化、自然、ショッピング目的で来る人も多い。わざわざ夢洲にたくさん足を運ぶか」と疑問視し、「あまり根拠がない数字だ」と述べました。日本人客の数値についても「大阪に来る観光客が500万人増え、そのうち一定数が夢洲まで来る根拠がどこにあるのか」と批判しました。

 また、IRが集客する一方でキタやミナミなどの商業施設やホテルの売り上げ減少が見込まれますが、調査報告書がその点に触れていないことも指摘。「新たに観光資源をつくらないと経済成長が望めないなどというのは、全く根拠に欠ける」と述べました。

依存症患者の調査せず

 ギャンブル依存症対策についても府の対応が「緒にも就いていない段階。大阪はパチンコ台数も全国一多い町で、それ以外のギャンブルもある中、依存症患者を増やす可能性が圧倒的に高いIRを、無批判に誘致すべきでない」と主張しました。府は宮原議員の質問に、ギャンブル依存症患者の調査をしたことがないと認めました。

 森林保全のための間伐対象面積の半分以下しか、間伐が実施されていない問題で、宮原府議は、「防災や地球温暖化防止にも関連する。極めて重大だ」と批判しました。

 生活保護世帯の子どもが大学などへ進学すると、その子どもの生活保護は打ち切られ、場合によっては家庭の扶助も減額されることについて、「貧困の連鎖が起こりやすい仕組みになっている」と指摘。府は国に制度提案を行うなどの対応を行うと答弁しました。

市町村支援に公費使え

 国民健康保険(国保)の保険料負担を軽減するための国の公費が、16年度、大阪では本来の目的に使われず、市町村の法定外繰入解消に使われたとし、宮原府議は府の責任をただしました。

 府は市町村に、国保広域化・安定化のための取り組みや収納率向上、法定外繰入の解消などの成果に応じて、特別調整交付金の成績評価分を交付しています。「市町村にプラスになるわけではない。今のようなやり方が、結果として保険料を高くしている」と宮原府議は厳しく指摘しました。

救命センターの支援を

 救命救急センターを府が予算を増やして積極的に支援するよう宮原府議は求めました。救命救急センターへの運営費や補助は07年度の20億4500万円に比べ、16年度は1億1千万円減の10億3500万円となっています。「高齢者が増える中で、重篤患者をそう簡単に受け入れられないのは、現実の問題として存在する」と宮原府議は指摘しました。


 (大阪民主新報、2017年12月10日付より)

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