2018年01月14日
大門実紀史の国会レポート
強欲資本主義のなれの果て
昨年末、マルチ商法大手「ジャパンライフ」が事実上倒産しました。「ジャパンライフ」は、独り暮らしのお年寄りなどにやさしい言葉で近寄り、磁気ベルトなど健康器具の「レンタル商法」に誘い込んで、多額のお金を出資させていました。
いま、たくさんのお年寄りが、出資したお金が返還されず、老後の生活資金を失う危険にさらされています。被害額は数百億円とも1千億円をこえるともいわれています。「ジャパンライフ」の営業を許せば必ずこういう事態をまねくと何度も国会で指摘してきたのに、いままで放置してきた行政の「怠慢」に強い憤りをおぼえます。
行政の「怠慢」の背景には、加藤勝信・働き方改革担当相(当時)が「ジャパンライフ」会長と会食し「広告塔」の役割を果たしていたことや、下村博文元文科相が「ジャパンライフ」から政治献金を受けていたなど政治家の関与があったとおもわれます。また、「ジャパンライフ」のお中元先リストには、安倍首相をはじめわが党を除く与野党の国会議員、幹部の名前がずらりと並んでいます。さらに「ジャパンライフ」とその関連団体には内閣府、経産省、消費者庁のOBがたくさん天下りをしてきました。よってたかって、お年寄りを食いモノにしてきたと批判されても仕方がない。
それにしても、お年寄りの老後の資金まで巻きあげるとは、あまりにむごい。「ジャパンライフ」問題はまさに強欲資本主義のなれの果てといわなければなりません。(だいもん・みきし 参院議員 第2週掲載)
(大阪民主新報、2018年1月14日号より)