政治の私物化許すな
森友事件解明・安倍内閣退陣へ
考える会の集会に1500人
森友学園問題を考える会は3月31日、豊中市内で集会「森友問題から見えてきたもの ゆがめられた政治と教育」を開き、会場いっぱいの1500人が参加。元文部官僚で京都造形芸術大学教授の寺脇研氏、前文部科学事務次官の前川喜平氏が、「森友」問題と政治と教育のあり方について対談しました。ジャーナリストで新聞「うずみ火」代表の矢野宏さんが司会。木村真・豊中市議会議員が森友疑惑について報告し、野党各党の代表が駆け付けてあいさつしました。
前川喜平・寺脇研両氏が対談
政治的な力働いた
前川氏は、財務省の決裁文書改ざんは、「刑事責任に問われかねず、絶対にあり得ない不正行為。公務員自らの判断でできることではない」と強調。3月27日の証人喚問で佐川宣寿前理財局長が、事件の核心に関わるとされる今井尚哉総理秘書官との関わりを3度質問され、「2度はぐらかし、3度目は真実を述べなかった」と指摘し、「(偽証罪の)リスクを冒し守ろうとしているものは何か。改ざんの背景には、財務省を動かすことのできる何らかの政治的な力が働いたと考えざるを得ない。森友学園問題と加計学園問題は国政の私物化だと考える」と述べました。
行政機関が脆弱に
前川氏は、文科省が名古屋市教育委員会に対し公開授業の内容を執拗に問い合わせた問題や、最高裁判決が「不当な支配」と断じた東京都立七尾養護学校事件について、政治が教育内容に土足で踏み込むあり方を厳しく批判。「強大な政治権力に行政機関が脆弱(ぜいじゃく)になっていないだろうか。ここを変えることが日本社会にとって必要」と述べました。
三権分立の危機に
寺脇氏は、改ざん問題について「近代日本が始まってから初めてともいえる重大な事件」と指摘。国有地売却をめぐる疑惑や大阪府による学校設立認可過程の問題点を挙げながら、選挙で構成される国権の最高機関である立法府に行政府がでたらめな資料を出した異常性を強調し、「立法、行政、司法が独立して機能し合う『三権分立』が脅かされている。この行政府に日本の舵取りを任せていいのかという問題が生じてくる」と述べました。
政権と維新が応援
木村氏は「教育勅語」につて、教育基本法を改悪し、「教育勅語」を学校教材にしても良いという閣議決定した安倍政権を厳しく批判。戦前・戦中に学校現場で強制された「教育勅語」は、主権在民を原則にする現行憲法下で存在さえ許されないと指摘し、「『教育勅語』は、侵略戦争の『負の歴史』を伝える資料としてしか使えないもの」だと強調しました。「森友学園問題は、単に国民財産の国有地が格安売却されただけではない。政権中枢と松井維新府政がいびつな愛国主義教育をする学園に肩入れした事件だ」とし、安倍内閣は総辞職すべきだと訴えました。
野党各党が報告し
立憲民主党の森山浩行、辻元清美両衆院議員、日本共産党のたつみコータロー参院議員、同党の石川たえ大阪府議が情勢報告し、「町に出て、一人でも多くの市民と対話を広げよう」「野党と市民が力を合わせて、安倍政権を退陣に追い込もう」と呼び掛けました。
4月22日投開票の大阪府議補選ですでに立候補表明した「考える会」会員で日本共産党豊中市議の山本いっとく氏について、「考える会」として推薦決定したと報告され、「山本氏を府議会に送りだせば、森友事件の真相解明に大きな力となる」と支援が呼び掛けられました。山本氏が行動提起を兼ねて決意表明しました。
(大阪民主新報、2018年4月8日号より)