2018年05月13日
大門実紀史の国会レポート
「イムジン河」を聞きながら
先日、大阪梅田でおこなわれたケイ・シュガーさんのライブを聞きにいきました。心に染み入る歌がつづくなかで、思わず涙があふれてきたのが名曲「イムジン河」でした。ケイさんの清んだ歌声に、忘れていた遠い昔の思い出がよみがえってきたからです。
私が生まれた京都には在日コリアンの方がたくさん住んでいました。日本の子どもたちはよく朝鮮の子をいじめましたが、野球などをして一緒に遊ぶこともありました。
小学5年生の時、ミョンソンという賢くて可愛い女の子を好きになりました。日本の男の子には内緒で、よくミョンソンの家に遊びにいきました。
ある時、白いあごひげをはやしたミョンソンのハラポジ(おじいさん)が、「なんでおまえらは朝鮮の子をいじめる。日本人の祖先は大陸から渡ってきた。もとをただせば、みんな兄弟やないか」といいました。
ミョンソンのお兄さんは立命館の大学生で、いつもギターをひきながら「北の大地から南の空へ、飛びゆく鳥よ、自由の使者よ」と朝鮮語をまじえて「イムジン河」を歌っていました。チング(友だち)という朝鮮語はそのお兄さんに教えてもらいました。
その後ミョンソンは朝鮮中学校に進み、手紙を出しても、私と会ってくれなくなりました。
あれから半世紀。今までとはちがう親密な南北首脳会談がおこなわれました。南と北、だけでなく、朝鮮と日本。「みんな兄弟やないか」―大らかなハラポジの言葉に未来を託したいとおもいます。(だいもん・みきし 参院議員 第2週掲載)
(大阪民主新報、2018年5月13日号より)