通常国会ヤマ場
疑惑解明・悪法阻止・共同推進へ
安倍政権終わらせ新しい政治を
共産党府委が緊急街宣
財務省が4日公表した、森友学園との国有地取引をめぐる公文書改ざん問題についての調査結果では、安倍晋三首相夫人の昭恵氏の関与が改ざんのきっかけになったことが浮き彫りになっています。ところが安倍政権は、会期末が20日に迫った通常国会で森友疑惑などの真相究明に背を向けたまま、「働き方改革」一括法案やカジノ実施法案などを力ずくで押し通そうとしています。国会がヤマ場を迎える中、日本共産党府委員会が緊急街頭演説を行うなど、疑惑の徹底究明、悪法の強行阻止へ、市民と野党の共同を広げ、安倍政権を追い詰めようと全力を挙げています。
森友・加計疑惑 改ざん無反省
調査結果は、改ざん当時の理財局長だった佐川宣寿前国税庁長官が、政治家に関する記載を「外に出すわけにはいかない」と改ざんの方向を「決定付けた」と認定。安倍首相が国会で「私や妻が(国有地取引に)関与したということになれば、総理も国会議員も辞める」と答弁した後に、昭恵氏の名前が入った文書の確認や廃棄が始まった経緯が浮き彫りになりました。
日本共産党が2日、大阪市天王寺区内で行った緊急街頭演説では、宮本岳志衆院議員、たつみコータロー参院議員、清水忠史前衆院議員、小川陽太大阪市議が訴え。渡部結・府国政対策委員長が司会しました。
宮本氏は、財務省の調査結果公表で「さらなる追及が始まろう」としていると切り出し、「野党の結束を固め、安倍内閣打倒を正面から掲げ、国民の皆さんとともにたたかう」と語りました。
隠そうとした安倍首相に責任
宮本氏は、太田充理財局長と蛯名邦晴航空局長らが、昨年9月7日に会計検査院や国会をごまかすために“口裏合わせ”を行っていたことを示す「動かぬ事実(政府の内部文書)」を紹介。さらに財務省がことし3月12日に改ざんを認めた以降、同省が宮本氏に提出した森友学園側との「応接記録」も改ざんされていることを指摘した上で、「何の反省もない」と糾弾しました。
自らや昭恵夫人の名前を隠そうとした安倍晋三首相に一番の責任があるとし、「野党が結束を固めて、安倍政権打倒を真正面から掲げ、国民の皆さんとともにたたかい抜く」と決意を語りました。
たつみ氏は、公文書改ざんなどで告発されていた佐川氏らを大阪地検特捜部が不起訴処分にしたことを厳しく批判。同時に「刑事訴追の恐れがあるから答弁しないという佐川氏の言い分は通用しない」と指摘し、佐川氏や明恵氏らの証人喚問が全容解明に欠かせないと述べました。
〝過労死促進法〟を必ず廃案に
たつみ氏は、トランプ米大統領が一度は中止を表明した米朝首脳会談を6月12日行うと発表したことに触れ、「朝鮮半島の非核化や北東アジアの平和構築は、対立ではなく対話によってなされる。このことが揺るぎないものになった」と強調。北朝鮮問題で「圧力一辺倒」の安倍外交が世界の流れから取り残されている中、日本共産党は野党として安倍政権にもの申していくと語りました。
さらに、たつみ氏は、「働き方改革」一括法案をめぐり、前提となる労働時間データの2割が誤りと分かり、衆院本会議での強行可決の前日(5月30日)にも新たなミスが発覚したと指摘。「残業代ゼロで働かせ放題の“過労死促進法”である『働き方』改悪法案を参院で絶対廃案に追い込むため、頑張る」と力を込めました。
カジノ実施法案絶対に許せぬ
清水氏は、国民の強い反対の声を押し切って、自民・公明・維新が衆院でカジノ実施法案の審議入りを強行したことを批判。「カジノは刑法で禁じられた賭博。ギャンブル依存症を拡大し、街の空気を乱し、人の不幸の上に富を築くというとんでもないものだからこそ、多くの国民はカジノに反対している」と話しました。
実施法案では、カジノ事業者が客に直接、賭博のためのお金を貸し付けることを認めており、2カ月を超えて返済がなければ14・6%の遅延損害金を請求でき、サラ金業者などに取り立てを委託できるなど「とんでもない代物だ」と告発。清水氏は、「違法なカジノを観光振興・経済成長などと解禁し、多くの人たちを不幸に巻き込み、大阪をわやにしようというのが実態。実施法案を廃案に追い込むため全力を尽くす」と語りました。
(大阪民主新報、2018年6月10日号より)