カジノ実施法案必ず廃案に
国会報告会・集会・デモ・署名
大阪から声上げよう
安倍政権と維新の会が、刑法が禁じる賭博場・カジノを合法化するカジノ実施法案(特定複合観光施設区域整備法案)の今国会での成立を狙う中、強行を許さず廃案にと大阪で取り組みが強まっています。日本共産党大阪府委員会は9日、大阪市内で「ストップ!カジノ実施法!」と緊急国会報告会を開催。カジノ問題を考える大阪ネットワークは、法案の廃案などを求める署名を呼び掛け、18日には大阪市と豊中市内で市民集会が取り組まれます。
世論に背き強行目指す 安倍政権
共産党国会報告会 たつみ参院議員が報告
日本共産党大阪府委員会が、大阪からカジノ実施法案反対の声を大きく広げようと開いた国会報告会には、180人を超える市民が参加しました。
たつみコータロー参院議員は、実施法案をめぐる国会審議を報告しました。
たつみ議員は、各紙世論調査でも、国民の多数がカジノ解禁や今国会での実施法成立に反対しているにもかかわらず、会期延長してまで強行しようとしている安倍政権を厳しく批判しました。
推進業者が規制機関に
この間の衆議院の審議では、カジノを含むIR(統合型リゾート)の「経済効果」を強調している政府が、経済効果の試算さえしていないことや、カジノの規制機関として置かれる「カジノ管理委員会」にIR推進者も入ることが可能であることが明らかになったことなどを報告するたびに、会場から驚きの声が出ました。
たつみ議員は、この法案が251条にわたることに触れて、「200条を超える法案は介護保険法(1997年)以来の巨大なものであるにもかかわらず、その数分の1の時間しか審議が行われていない」と指摘しました。
衆院では、野党5党が廃案を目指して奮闘しているとし、森友・加計疑惑の徹底追及とともにカジノ実施法廃案目指して頑張る決意を述べました。
問題だらけの法案
桜田阪南大教授が解明
カジノ問題を考える大阪ネットワーク代表で、阪南大学教授の桜田照雄さんがゲストスピーチ。射幸心(思いがけない利益を期待する気持ち)を最大限あおり、ギャンブル依存症患者を増やすことなどカジノの危険性や、カジノ業者による客への貸金業務まで認めることなど、実施法案の問題点を詳しく紹介しました。
また、政府が「世界最高水準の規制をかける」としていることに対し、いくらでも法律の網の目をくぐれる内容になっていると指摘。「(税収で)公益性がある」などと述べていることについても、「カジノの利益のほとんどは創業者一族にいく」と述べ、「こういうビジネスを国が率先してやることを許していいのか」と問い掛けました。
桜田さんは、「一言運動で問題を伝えて住民の政治意識を高め、法案を廃案に」と述べました。
都構想唯一の看板
国会でカジノ問題を取り上げてきた清水忠史前衆院議員は、維新府・大阪市政が「大阪経済の起爆剤にする」と称して進めようとしているカジノ万博で、インフラ整備、鉄道延伸、海の埋め立てなどだけでも巨額の税金がつぎ込まれると指摘。誘致先とされている人工島の夢洲は、いまのままごみ最終処分場として活用すべきだと述べるとともに、「誰もが幸せに暮らせる大阪にするためにも、市民と野党の共闘でカジノ万博の阻止を」と訴えました。
大阪市の都市経済委員会でカジノ問題を取り上げてきた小川陽太大阪市議は、「カジノやビッグプロジェクトが『大阪都』構想の唯一の看板になっている。彼らの政治的延命のためだけにやろうとしている『都』構想を許してはならない」と述べ、わたなべ結党府国政対策委員長・衆院大阪3区候補は、去年、視察した韓国のカジノ事情を報告。「大阪にも日本のどこにもカジノはいらない。この国会で必ず実施法案をつぶしたい」と語りました。
賭博場は必要ない
依存症患者家族が訴え
ギャンブル依存症患者の家族は、常に困窮、借金返済に追われ、危機感を抱いていたと述べ、「家庭は崩壊し、進学しても学費を払えるかどうか分からない。就職しても先が見えず死にたくなった。時代が変わってもこの思いは変わらない。カジノは日本人を対象にした賭博。これ以上新しい賭博場は必要ない」と語りました。
会場からも発言が相次ぎ、「豊中市でもカジノ反対の会をつくろうという話になっている」と、地域での運動も紹介されました。
(大阪民主新報、2018年6月17日号より)