大災害さなかにカジノ実施法
安倍自公政権が審議強行・可決狙う
〝国民の命・安全より博打〟の異常
刑法が禁じる賭博を合法化し、米カジノ資本に市場を提供するカジノ実施法案(特定複合観光施設区域整備法案)の今国会での成立を狙う安倍自公政権は17日、参議院内閣委員会開催を強行しました。記録的豪雨で深刻な被害が広がる中、野党が「カジノ審議よりも災害対策を」と求め、世論調査でも7割の国民が今国会での法案成立に反対する中での暴挙。15日には市民有志が京橋駅前で緊急街宣、17日には豊中市で大阪への誘致反対の宣伝・市への申し入れが行われました。
〝これが国のすることか〟
市民と野党が緊急街宣 京橋
「大阪から災害とカジノを考える緊急街宣」は、大阪からも災害について考え支援を呼び掛けるとともに、カジノについても考えようと取り組まれました。
市民と野党代表がマイクを握り訴え。今回の豪雨で避難指示が出され、すでに被害も発生していた時に、安倍首相ら自民党議員が宴席を開いていたことや、災害対策が求められるさなかにカジノ法案強行が狙われていることに対し、「怒りを通り越し恐怖を感じる」「そういう人がこの国の総理大臣であることに絶望」など口々に批判しました。
日本共産党のたつみコータロー参院議員は、「カジノの審議はストップして、被災者支援法の拡充のために与野党一丸となることこそが国会議員の役割」と述べ、社民党大阪府連代表の服部良一元衆院議員は、自ら視察した韓国の賭場の様子を紹介し、ギャンブル依存症対策が「いかにザル法かは韓国を見たら分かる」と強調。立憲民主党府連代表の森山浩行衆院議員は、「たくさんの問題があるカジノ法案を廃案にすべき」と語りました。自由党、国民民主党からもメッセージが寄せられました。
市民のMさんは、安倍政権が、被害拡大の中で災害対策本部をつくらなかった上に、カジノ法案や議員定数増などの審議を進めていることを批判。「為政者であればこの国に住む人を大切にし、災害におびえる人の生活、心のケアをしてほしい」と語りました。
保育士のPさんは、国の保育士配置基準が現在、3歳~5歳児20人に保育士1人、1・2歳は6人に1人、0歳は3人に1人だとし、「日常でも大変なのに、災害の時、これでどうやって目の前の子どもや自分の命を守れるのか」と述べました。
高槻市在住のOさんは、「野党は災害復旧を最優先にすべきだと主張しているのに、日本国内にカジノをつくるための法案を審議している」と批判。「いつどこで災害が起きても不思議ではないことを前提に、制度を考え直すのが政治の役目。政治家はすべての人の命と生活を守るために頭を使い、力を使い、税金を使ってほしい」と強く訴えました。
市民が市長らに要請書 豊中
「大阪カジノに反対する市民の会」は17日、長内繁樹豊中市長と喜多正顕市議会議長宛に、府と大阪市によるカジノ誘致に反対することを求める要望書を提出しました。西澤信善代表は、「豊中市が宣言する『青少年の健全育成』にも逆行する』と訴えました。
要請書は、カジノが大阪経済の進行に役立つどころか、「府民から富を奪い、大阪経済をさらに冷え込ませるものにな」るとし、「倹約と勤労を旨とした大阪の文化と伝統を大きく傷つけ」ると述べています。
要請書提出前に阪急豊中駅前で宣伝。西澤代表らは「ギャンブルはすでに深刻な問題を引き起こしている。320万人の依存症があり、ギャンブルに使われているのは税収の半分、28兆円に及ぶ。カジノを解禁は状況をさらに悪化させる」と訴え。「住民の生命や財産を守ることが自治体の使命ではないのか」と、誘致しようとしている府などを批判しました。
(大阪民主新報、2018年7月22日号より)