おおさかナウ

2018年10月06日

声を届けて
たつみコータロー参院議員の国会論戦
商品売っても赤字!?コンビニ会計の絡繰り

 「オーナーと本部のフランチャイズ契約は対等、平等で共存共栄をうたっているが、オーナー側に非常に不利なものになっている」(2017年3月22日、参院経済産業委員会)。たつみコータロー議員は、恵方巻きの販売ノルマや24時間営業などの問題点を取り上げて、コンビニ加盟店オーナーの苦境の背景にフランチャイズ契約があると指摘。業界独自のコンビニ会計の仕組みについて国の見解をただしました。

廃棄分を自己負担

たつみ参院議員

たつみ参院議員

 たつみ議員が例に挙げたのは、原価70円の「おにぎり」を10個仕入れ、店頭価格100円で8個販売したケース。本部に納めるロイヤリティーが60%の場合、売上800円から原価を引いた利益100円のうち60円を本部に納め、残る40円が店舗オーナーの純利益になるはずが…

 「普通の会計方式ではそうなるがコンビニの独特な会計システムはそうじゃない」。

 売れ残ったおにぎり2個の原価計140円を仕入れ価格に含めない業界独自の会計処理を適用すると、見かけ上の利益は100円から240円に、さらに本部ロイヤリティーは60円から144円と倍増する一方、廃棄の原価140円を負担したオーナーの純利益はマイナス44円の赤字になると指摘。「おにぎり10個のうち2個残ったらたちどころにオーナーは赤字になるのがコンビニ会計だ」と告発しました。

見切り販売するな

たつみ議員のホームページに掲載されたコンビニ会計の仕組みを示したイラスト

たつみ議員のホームページに掲載されたコンビニ会計の仕組みを示したイラスト

 続けてたつみ議員は、値引き販売できれば店舗オーナーの経営は大きく改善されると指摘。おにぎり販売のケースでは、売れ残りの2個が半額50円で売れた場合、オーナーの純利益は黒字の80円、本部が受け取るロイヤリティーは120円になると述べ、「だからオーナーは値下げしてでも売り切りたいと考える。ところがコンビニ本部にとっては廃棄させたら取り分が大きくなるのがコンビニ会計の特異性」だとし、政府の見解をただしました。

 答弁で世耕弘成大臣は、「コンビニ本部と加盟店の間の費用や利益の分配ルールであり、いろんな計算方法がある。廃棄ロスを減らすことも重要であり、本部は加盟店の発注精度向上に取り組んでいらっしゃる。廃棄が生じた場合の負担のあり方が共存共栄の形で確立されることを期待する」と述べるにとどめました。

 たつみ議員は、コンビニ本部が店舗オーナーに提出させている「値下げ販売申請書」など独自に入手した内部資料を示し、「そもそもコンビニで見切り販売はあまりみられない。見切り販売を抑制するインセンティブ(目標達成への誘因)が本部からオーナーにあるのが実態だ。根本のコンビニ会計に踏み込まなければならない」「本部への申請書を書かせること自体が見切り販売を制限する優越的地位の濫用に当たのではないか」と述べました。(続く)

(大阪民主新報、2018年10月7日号より)

月別アーカイブ