W選まで1年でスタート集会
維新政治終わらせ〝明日の大阪〟を
パネル討論などで未来語る
明るい民主大阪府政をつくる会(明るい会)と大阪市をよくする会(よくする会)が18日夜、大阪市北区・中之島の中央公会堂で開いた「明日の大阪をつくるスタート集会」では、奈良女子大学の中山徹教授の進行で、公共政策ラボ代表で元大阪市長の平松邦夫さん、あかんカジノ!女性アピール呼び掛け人の大垣さなゑさん、日本共産党のたつみコ―タロー参院議員がパネル討論しました。リレートークでは各氏が維新政治を告発しました。
教育破壊ストップへ共に 来年の選挙で維新ノーを
4氏がリレートーク
リレートークでは4氏が発言しました。大阪市学校園教職員組合の宮城登委員長は、吉村洋文大阪市長が打ち出した、学力テストの結果を教員の給与させるという新人事評価制を批判。大阪の小中学生がテスト漬けになっている現実や、学校統廃合の動きを示し、「維新政治の教育破壊を止めるため、皆さんと一緒に頑張る」と表明しました。
明るい会堺連絡会の長川堂いく子さんは、性暴力をなくそうと訴える少女像問題で、吉村大阪市長がサンフランシスコ市との姉妹都市解消を勝手に決めたことに抗議。「維新の政治ではなくより良い暮らしを。同時に、安倍政治のストップをたたかって実現したい。来年の選挙、維新ノーと頑張っていきましょう」と語りました。
大阪商工団体連合会の原田孝夫副会長は、維新が「二重行政の無駄」として府市の信用保証協会を統合するなど、中小企業支援を切り捨てたと告発。「中小企業に関心のない維新政治では将来に希望が持てない。カジノ万博よりも、南海トラフ巨大地震に備えた安全・安心の街、中小企業が活躍できる大阪を」と訴えました。
空港関連労働者の平田喜久男さんは、台風21号による高潮で関空や湾岸部の埋め立て地に甚大な被害が出、地球温暖化の影響で強い台風が勢力を維持したまま日本に上陸している問題を指摘。現在造成中の埋め立て地について、地盤沈下の安定には時間が必要だが、共用時期が決まれば急速・短期施工で被害のリスクはさらに大きいと警告しました。
公務員のやりがい生かすのが首長
元大阪市長・公共政策ラボ代表
平松邦夫さん
「公共の役割とは何なのか」と切り出した平松氏は、市長在任中の2011年3月11日に東日本大震災が発生した当時の体験を振り返りました。
「助けに行くのがわれわれの役目だ」と直感し、関西の3政令市長にすぐ電話した平松さん。
災害対策本部を設置してやれることをやると伝えている矢先に、交通局(当時)から「バス2台に乾パンと毛布を満載して(被災地に)向かいたい」と連絡してくるなど、関連部局がすぐ救援に乗り出したことを紹介しました。
「これは民間企業でできるでしょうか」と平松さん。あれだけの災害が起きたときに、先頭に立つのが公務員の本当のやりがいであり、市長として指揮をとったことは「市長生活の中で本当に素晴らしい仕事を与えていただいた」と語りました。
「人を助けよう、暮らしやすくしようと、暑い中でも寒い中でも地域を回っている公務員がいる。その人たちを勇気づけ、元気づけ、『あなたたちの仕事こそが、この街の暮らしやすさにつながっている』というやりがいを与えるのがリーダーの仕事」と強調。9月の台風21号で、府も大阪市も災害対策本部を設置しなかったとし、「今のままでは明日の大阪はない」と話しました。
カジノ誘致しない首長に変えよう
あかんカジノ!女性アピール呼び掛け人
大垣さなゑさん
大垣さんは2016年にカジノ解禁法が強行成立したことで、ことでカジノ誘致が国策となったことで、「自治体が食い物にされる」と指摘。その最有力候補地が大阪になっていると述べました。
ことし7月に強行されたカジノ実施法は、カジノ事業者が客に金を貸すことができるという異常なものだと強調。人口が集中する消費地である大都市圏で、収入や資産のある人からお金を巻き上げる仕組みになっていると告発しました。
さらに、大手ゼネコン各社がカジノを核とした統合型リゾート(IR)推進の担当部署を設置し、カジノ誘致に名乗りを上げている自治体に国が打診するなど、カジノ誘致に向けた動きが着々と進んでいると指摘しました。
「もし万博の誘致に失敗しても、府と大阪市はカジノ誘致を諦めない。たたかいは長いものになる」と大垣さん。その上で、カジノをつくらせない最良の方法は、「ボス(知事と大阪市長)を変えること。カジノなど絶対誘致しないという人を首長にしよう」と強調しました。
市民との対話の中で「カジノは嫌」という声が立場を超えて共通しているとし、「原点に戻って、日常のいろんな話題の中でカジノについて語っていこう」と呼び掛けました。
議会承認なしにカジノつくれない
日本共産党参院議員
たつみコータローさん
たつみ議員は国政での維新の役割に触れ、野党提出の安倍内閣不信任決議案に反対するなど、「実態は安倍政権与党そのもの」だと指摘。カジノ実施法の審議を基め続けてきたのも維新だと述べました。
米国メディアが、トランプ米大統領が2017年2月に安倍晋三首相に、米カジノ事業者のラスベガス・サンズの日本参入を働きかけていたと報じたことを紹介。「それ以前に働き掛けられていた疑惑もある。カジノ問題はアメリカの要求で始まったものだ」と語りました。
2025年大阪万博誘致のオフィシャルパートナーに大手ゼネコンとともに、米カジノ事業者も参画していることを示し、「万博をやることでインフラが整備され、カジノ事業者にとってもメリットがあるというのが実態だ」と告発。府市IR推進局のギャンブル依存症対策は、高校生には啓発の「出前授業」を行う一方、大学生・女性などにはIRの素晴らしさ伝えるなど、「完全に矛盾している」と話しました。
たつみ議員は「カジノはもう止められないと思っている人も少なくないが、カジノは議会の承認を得なければ、大阪に持って来れない。来年の統一地方選と参院選、カジノを大阪につくらせないたたかいを進めたい」と決意を語りました。
(大阪民主新報、2018年10月28日号より)