2018年11月04日
山下よしきの徒然エッセイ
安倍政権の終わりの始まりに
安倍首相の所信表明演説を議場で聴きました。
「新しい日本の国創り」「強い日本」「希望にあふれ、誇りある日本」――首相が力を込めれば込めるほど空虚な気分になります。
どうしてだろう?配付された演説原稿を読んで気がつきました。首相の演説は、“あれもこれも、すべてうまくいっている”という自慢話ばかり。長引く避難生活に苦しむ被災者の声も、不安定な非正規雇用から抜け出せない若者の叫びも、年金だけでは食べていけない高齢者のあえぎもありません。
アベノミクスで広がった貧困と格差には目をつぶり、自らの政治の過去・現在・未来をバラ色一色で描く――こんな演説に拍手できるのは議場にいる与党議員だけでしょう。
ひるがえって翁長雄志・前沖縄県知事の演説を思い起こしました。
「『辺野古に新基地を造らせない』という私の決意は県民とともにあり、これからもみじんも揺らぐことはありません」(6月23日、沖縄全戦没者追悼式)
翁長さんの演説は、県民の心を揺さぶり、団結を促し、力を引き出しました。亡くなったあとも、県民の魂に火をつけ、新しいリーダーを生み出しました。
沖縄では、県知事選挙に続き、豊見城市長選挙、那覇市長選挙と、辺野古新基地に反対する「オール沖縄」勢力が3連勝。
潮目は変わりました。沖縄の歴史的勝利を、安倍政権の終わりの始まりとするために、臨時国会で国民の声を代弁してたたかいたい。(やました・よしき 日本共産党参院議員 毎月第1週に掲載)
(大阪民主新報、2018年11月4日号より)