市民と野党の共闘発展へ
革新懇ならではの役割を
大阪革新懇が合同会議開く
7カ月後に迫った来年の参院選に向け、市民と野党の共闘をさらに発展させようと、進歩と革新をめざす大阪の会(大阪革新懇)が11月15日、大阪市北区内で賛同団体と地域・職場革新懇の合同会議を開き、47人が参加しました。
多数派結集の運動広げ
「本気の共闘」を求める
全国革新懇・乾事務室長
憲法が生きる政治の実現へ
報告した全国革新懇の乾友行事務室長は、「オール沖縄」の玉城デニー氏が勝利した沖縄県知事選は、日本の未来のあり方を問い掛けたたたかいだったと指摘。3千万署名の取り組みが、国政の諸課題と結び、政治を語ることと結んで発展しているとし、「3千万署名は安倍9条改憲に反対するとともに、憲法の平和・人権・民主主義が生かされる政治の実現を求めたもの。この運動は革新懇運動にとっても非常に重要だ」と述べました。
野党共闘の前進にについて乾氏は、日本共産党の理論政治誌「前衛」の座談会に野党各党の国対委員長が登場するなど、「率直で気持ちのよい関係」がつくられ、野党共同提出の20本の法案は「戦争法」廃止だけでなく、暮らしや教育など多岐にわたり、「政策合意が広がっている」と話しました。
様々な要求をどんどん掲げ
同時に、共通政策をもち、政権構想を掲げて相互支援する「本気の共闘」をつくる上で、決定的なのが市民の声だと指摘。「単に『野党は共闘』というだけでなく、声の質が問われている」とし、要求を掲げ多数派を結集する国民運動・大衆運動を広げるとともに、「本気の共闘」そのものを求めることが重要だと述べました。
この中で乾氏は、沖縄県知事選の勝利には、長いたたかいを通じて、県民が基地問題で鋭い要求と高い認識をもっているという前提があると力説。「憲法、暮らし、医療、福祉はじめさまざまな要求をどんどん掲げ、『安倍政権を倒すために野党は共闘を』との声を上げることが重要だ」と語りました。
革新懇運動の「3つの力」を
さらに市民と野党の共闘を実現するとともに、革新懇としては選挙闘争全体を通じて、「3つの共同目標」(別項)を推進する勢力を躍進させることが重要だと強調。全国各地の取り組みの経験を紹介しながら、革新懇運動が「3つの力」を発揮するときだと語りました。
第1は「政策の力」で、「3つの共同目標」という安倍政治に代わる政策の軸と展望をもっていること。第2は革新懇に結集する賛同団体、日本共産党という「組織の力」。第3は「草の根の地域の力」だとし、「これらの3つの力を持っているのは革新懇しかない。37年間にわたって統一戦線運動を推進し、培ってきた共闘の要、架け橋の役割を果たしてきたのが革新懇。革新運動発祥の地、大阪でさらに運動を発展させ、全国を励ましてほしいと」と期待を語りました。
革新懇運動の3つの共同目標
①日本の経済を国民本位に転換し、暮らしが豊かになる日本を目指します②日本国憲法を生かし、自由と人権、民主主義が発展する日本を目指します③日米安保条約をなくし、非核・非同盟・中立の平和な日本を目指します。
情勢に前向きな変化が
2つの役割発揮今こそ
日本共産党・駒井府書記長
変化を生んだ活動に確信を
日本共産党の駒井正男府書記長は報告で、情勢の前向きな変化が起きていると強調し、その例として、沖縄県知事選の勝利などで「辺野古新基地建設ノー」の審判が下され、世論調査でも新基地建設反対が多数になり、全国知事会が日米地位協定の抜本見直しを求める提言を出したことを紹介しました。
消費税10%増税問題でも、増税そのものに反対する声が大きく広がり、「ポイント還元」「プレミアム商品券」「複数税率」「インボイス」への批判が、立場を超えて高まっていると指摘。9条改憲で安倍政権が暴走しているが、国会内でも世論との関係でも板ばさみになり、野党が辺野古新基地建設反対や改憲、消費税10%増税など、国政の主要課題で足並みをそろえて追及しており、「こうした情勢の変化をつくってきたことに確信を」と語りました。
共闘の発展を草の根で推進
駒井氏は、革新懇運動がいま果たすべき2つの役割に言及しました。
第1は、市民と野党の共闘を草の根から発展させ、安倍政権打倒の推進力になることです。
駒井氏は、3千万署名を達成する運動を広げることが、市民連合と野党の政策合意の内容を豊かに発展させ、参院選で魅力ある野党の共通政策をつくる力となるとしました。
この点で駒井氏は、9条改憲や消費税10%増税問題に直面して、初めて「安倍政治は許せない」と勇気を出して声を上げる人々と交流し活動する場を、革新懇として設定することが求められていると指摘。全国と大阪の革新懇のアピールなどを団体・地域に発信することも、草の根からの共闘発展に果たす独自の役割だと述べました。
新しい日本の展望語り合う
第2は、「3つの共同目標」を国民多数の合意にしていく活動そのものを強化することです。
駒井氏は、安倍政権を倒してどんな日本をつくるのか、その展望を語り合う中で、「3つの共同目標」が国民の切実な要求を根本的に実現する道につながっていることを明らかにすることが、革新懇運動の特別な意義だと話しました。
さらに駒井氏は、安倍政権と維新政治への怒りと失望の中で、府民の政治意識・政党支持動向が流動化していることを示し、「大阪で維新政治を追い詰め、打ち破るたたかいを強めよう」と強調。日本共産党府委員会が11月6日に発表した呼び掛け「共同の力で『維新政治』の転換を」に即して、「大阪都」構想はじめ維新政治の行き詰まりと、「反維新」の共同の発展、維新政治に代わる「明日の大阪」像などを詳しく報告し、「安倍政権を倒してほしいと願い、維新政治に不信と不満を持つ府民・市民と大いに対話し、国政革新と大阪の政治革新の展望を語り合う活動が求められている」と力説しました。
(大阪民主新報、2018年12月2日号より)