災害から府民を守る
日本共産党府委が報告懇談会開く
2018年は大阪北部地震(6月)、西日本豪雨(7月)、台風21号(同年9月)など大規模な自然災害が相次ぐ中、日本共産党府委員会(柳利昭委員長)が同年12月16日、大阪市中央区内で「災害から府民を守る―国政・大阪府市政報告懇談会」を開き、135人が参加しました。
国民の苦難軽減が立党の精神
被災者とともに政治を動かす
山下党副委員長・参院議員
柳委員長の主催者あいさつに続き、山下よしき党副委員長(参院議員)、たつみコータロー参院議員、宮原たけし府議、瀬戸一正大阪市議が報告しました。
防災上の問題点課題をチェック
山下氏は、臨時国会の代表質問で大規模自然災害の経験を通じて痛感している問題を安倍晋三首相に提起したことを紹介しました。第1は、被災者の住宅と生業の再建に関わる問題点の把握を緊急に行うこと。第2は、被害を拡大させず、命を守るための防災対策が重要だと提起したが、安倍首相はまともに答えなかったと述べました。
その上で、被災者や住民と一緒に、地域の防災上の問題点、課題をチェックし行政を動かすことが大切だと強調しました。その点では、大阪北部地震と台風21号の被害で大阪の被災者支援活動が大きな教訓になっていると指摘。高槻市での日本共産党の支援活動は住民と協力して行ったことを示しました。
山下氏は、「草の根で住民と結び付き、国民の苦難軽減を立党の精神とする日本共産党の出番。多くの住民が災害への不安を抱えている中、すべての党組織・議員が防災上の課題をチェックして統一地方選の公約に生かし、住民と一緒に自治の力を引き上げていこう」と呼び掛けました。
被災者の運動が国の制度つくる
最後に山下氏は、自らの「政治家としての原点」に言及。参院大阪選挙区で初当選した1995年に発生した阪神淡路大震災で、被災者の粘り強い運動と、前例にとらわれない自治体の対応が、「私有財産の再建は支援しない」という政府の分厚い壁を打ち破り、被災者生活再建支援法を勝ち取ったことを振り返り、「被災者の運動で自治体と国を動かし、日本共産党の値打ちを広く住民に実感していただこう。統一地方選・参院選の連続選挙での党躍進へ私も頑張る」と決意を語りました。
被災者・住民の運動と自治体の対応が国の制度をつくってきたと力説。「議員請負ではなく、住民運動にしてこそ行政を動かす力になり、国民の苦難軽減というわが党の真価も分かってもらえる」と語りました。
防災対策を優先する
政治の転換を今こそ
たつみ参院議員・宮原大阪府議・瀬戸大阪市議
たつみ氏は大阪北部地震、台風21号被害で大阪中を駆け巡り、自治体首長らとも懇談し、危険ブロック塀問題などで国会論戦を行ったことを報告しました。
台風21号で浮き彫りになった問題として、①大規模停電②関空の地盤沈下③水道の耐震化を指摘。リニア中央新幹線や高速道路淀川左岸線など、不要不急の巨大開発にはお金を使うが、本当の防災対策のための予算を確保していない政治を転換しようと呼び掛けました。
宮原氏は、被災者支援では住民と苦楽を共にし、目の前の困難を放置しないことや、制度を勉強し、行政担当者から教えてもらうことなどが必要だと指摘。「緊急に必要な被災者対策」として、今からでも市町村に要求し、一部損壊・半壊でも2次・3次審査を受ければ支援の対象になる展望があることなどを指摘し、カジノ誘致や大型開発は進めるが、被災者に冷たい維新府政の転換を訴えました。
瀬戸氏は大阪北部地震や台風21号の被害状況の把握は終わっておらず、吉村洋文市長は被災者支援に背を向けていると批判しました。水道の老朽管比率は49%もあり、耐震化が完了するのは34年先だと指摘。南海トラフ巨大地震に備えた防潮堤の耐震工事はマグニチュード9対応になっていないとし、防災対策を最優先に公共事業のあり方を根本的に転換すべきときだと語りました。
(大阪民主新報、2018年12月30日号、2019年1月6日合併号より)