声を届けて
たつみコータロー参院議員の国会論戦
もう1度空に戻すべき JAL不当解雇で復職求める
「JALが空前のもうけをあげる中で、客室乗務員は2千人以上採用しパイロットは定年を延ばしている」「なぜ彼ら彼女たちを戻さないのか、誰も理解できない。余りにも冷たく理不尽だ。戻って働いてもらうことが望ましいと思いませんか」
たつみコータロー議員は2015年3月19日の参院予算委員会で、経営破綻した日本航空が会社更生中の2010年末にパイロットと客室乗務員165人を解雇した問題で、政府の対応をただしました。
質疑でたつみ議員は、整理解雇の要件を満たさない手続きの問題などを告発。解雇強行後、日航による客室乗務員の新規採用が2千人以上に上る一方、退職者が後を絶たず、「経験者が減り現場では余裕がなくなっている」と述べ、「空の安全」が脅かされていると指摘しました。
理不尽な対応
国土交通相は、「運航の安全が確保されていることを確認している」と答弁しましたが、たつみ議員は、「空前の利益を上げ、人員も不足しているのに、なぜ解雇者を戻さないのか」と追及。閣僚は「個別企業の問題だ」と無責任な態度に終始しました。
JAL経営破綻の原因について政府側が、大型機大量保有などの高コスト体質や世界同時不況などを挙げたのに対し、たつみ議員は「いずれも労働者の責任ではない」「解雇された方々は能力もあった人たちです」と強調。解雇者の復職に向け労使協議を求めた国際労働機関(ILO)の勧告を取り上げて、日航が「(政府)当局の要請に応じる」と労働組合に回答していると指摘しました。「協議の場の設定のため、政府が主体的に動くべきだ。JALで整理解雇された人たちを、もう一度空に戻すべきだ」と重ねて求めました。
この日の予算委質疑を傍聴した不当解雇撤回訴訟原告団ら17人と懇談しました。たつみ議員は「現場の実態、皆さんの声をぶつけました。日本航空が大きな利益を上げていることなどを知らせることができた」と報告しました。
原告たちから「短い時間の中で、私たちの思いや声、現場の実態を届けてくれた」「政府答弁は冷たく通り一遍の内容だった。許せない」との感想が出され、たつみ議員は「これからも全力で支援していきたい」と語りました。
職場へ戻す支援
「御巣鷹山の事故から30年、航空行政の安全運航について取り上げます」。乗客乗員520人が犠牲になった日航機墜落事故(1985年8月12日)から30年を迎えた2016年9月3日、参院国土交通委員会でパイロット不足に伴う業務多忙化や労働強化の問題について質問し、翌週9月8日にも、たつみ議員は日航の不当解雇事件を再度取り上げました。
「私のこの胸の赤いバッジは、不当解雇された人たちを職場に戻す闘いを支援する決意を込めて、毎日着けているものです」
そう語り出したたつみ議員は、解雇回避を求める労働者の組合活動を企業再生支援機構が妨害したのは不当労働行為に当たると認定した高裁判決を示し、「解雇の手続きの妥当性も根底から崩される内容だった」と強調。JAL内部文書なども示して追及し、「不当解雇された人たちを職場に戻すべきだ。彼ら、彼女たちを職場に戻さなければJALの再生はない」と強く求めました。
(大阪民主新報、2019年2月10日号より)