おおさかナウ

2019年05月12日

近づく参院選 改憲派に審判下そう
9条改憲 必ず止める

 日本国憲法の施行から72年となる3日、安倍政権が狙う9条改憲に反対して、「5・3輝け憲法!平和といのちと人権を!おおさか総がかり集会」(主催=おおさか総がかり行動実行委員会)が大阪市北区の扇町公園で開かれました。安倍晋三首相はこの日、改憲派が東京都内で開いた集会に寄せたビデオメッセージで、自らが目標とする2020年の新憲法施行について「今もその気持ちに変わりはない」と発言しています。安倍首相が改憲への執念を示す中、2万人(主催者発表)が参加した集会では、野党の代表や各界の人々がスピーチし、「安倍政権による改憲発議を許さず、参院選で改憲派に審判を下そう」と訴え。集会後、3コースでデモ行進しました。

「9条改憲ノー」とアピールする「おおさか総がかり集会」参加者=3日、大阪市北区内

「9条改憲ノー」とアピールする「おおさか総がかり集会」参加者=3日、大阪市北区内

おおさか総がかり集会に2万人

 長野たかしさんと森川あやこさんのミニコンサートで開会しました。大阪憲法会議の丹羽徹幹事長は主催者あいさつで、安倍政権が消費増税はじめ国民に負担を押し付ける一方、米国言いなりに軍拡を進めていることは「憲法の示す方向とは反対だ」と指摘。参院選で改憲勢力が3分の2を占めることを絶対止めようと訴えました。

 ゲストスピーチした二宮厚美・神戸大学名誉教授は、改憲をめぐる情勢や、安倍政権の経済政策「アベノミクス」の破綻や米国言いなりの外交の失敗に言及。安倍首相は2017年の憲法記念日に、2020年までに新憲法を施行すると公言したが、9条改憲に反対する国民の世論と運動で追い詰められていると指摘しました。

 安倍首相がなおも改憲に執念を燃やしている中、参院選の1人区で野党共闘が成功すれば、国会発議に必要な3分の2の議席を占めるという改憲派の野望を打ち砕けると強調。安倍政権を退陣に追い込むと同時に、安倍政権を補完する維新にも審判を下すのが参院選だとし、「きょうがそのたたかいの始まりの集会だ」と語りました。

集会では日本共産党、立憲民主党、社民党の代表が参加。市民と共にスピーチしました=3日、大阪市北区内

集会では日本共産党、立憲民主党、社民党の代表が参加。市民と共にスピーチしました=3日、大阪市北区内

自公維を少数派に
野党各党が決意

市民と野党の共闘を広げて

 日本共産党の山下よしき副委員長・参院議員は、安倍首相自身が改憲の旗を振ること自体、憲法尊重擁護義務違反だと批判。「3千万署名を集め、市民と野党の共闘で自公と維新を少数に追い込み、安倍政権もろとも9条改憲を葬り去ろう」と呼び掛けました。

1人区で野党候補を一本化

 立憲民主党府連代表の辻元清美衆院議員は、野党6党派が参院に安保法制(戦争法)の廃止法案を提出したことを報告し、「国会で審議させるために力を尽くしたい」と表明。参院選では32ある1人区で、必ず野党候補を一本化したいと決意を語りました。

安倍政治変えるために団結

 社民党副党首の福島瑞穂参院議員は、憲法をめぐるたたかいは「今が正念場だ」と指摘。参院選で改憲勢力が3分の2の議席を占めることを何としても阻止し、さらに安倍政権の退陣を勝ち取り、安倍政治を変えるために団結して頑張ろうと語りました。

核禁条約発効・新基地ノー・10%反対・女性活躍
各界から「政治を変えよう」

 各界代表のあいさつで、吹田市の「健康友の会あいかわ」会長の野間優子さんは、自らが被爆二世であると語り出したのは3、4年前からだと自己紹介。国民平和大行進やヒバクシャ国際署名を成功させ、日本政府にも核兵器禁止条約を批准させ、条約の発効を勝ち取りたいと話しました。

 沖縄から駆け付けた、ヘリ基地反対協議会の安次富浩共同代表は、「辺野古新基地建設反対」の民意を無視して違法工事を続ける安倍政権に抗議。「野党共闘のために運動する私たちも団結を。安倍政権の敗北で世直しを」と力を込めました。

 「消費税10%増税はとんでもない」と訴えたのは、高槻市で工務店を営む増田孝博さん。消費税増税のたびに経営が苦しくなり、建設・消費不況の時代になったとし、「安倍政治を変えなければ暮らしはよくならない」と語りました。

 元大阪弁護士会会長の石田法子さんは、憲法14条(法の下の平等)の意義に触れつつ、「安倍政権は『女性活躍推進』というが、現実はどうか。待機児童やセクハラなど、女性の活躍を妨げる問題がある。それを変える運動を大阪から」と話しました。

デモの先頭に立つ共産党のたつみコータロー参院議員(左から2人目)、山下よしき参院議員(その右)=3日、大阪市北区内

デモの先頭に立つ共産党のたつみコータロー参院議員(左から2人目)、山下よしき参院議員(その右)=3日、大阪市北区内

 

(大阪民主新報、2019年5月12日号より)

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