堺市長選
野村友昭氏が大健闘
〝都構想反対の意思示した〟
当選は維新・永藤英樹氏
堺市長選が9日投開票され、日本共産党も加わる住みよい堺市をつくる会(つくる会)が自主支援した無所属の野村友昭氏(45)は12万3771票(得票率44・89%)を獲得し、初当選した大阪維新の会の永藤英樹氏(42)まであと一歩まで迫り、大善戦しましたが、及びませんでした。投票率は40・83%でした。
政治資金問題で前市長が辞職したことに伴う今回の市長選。「大阪都」構想にきっぱり反対を掲げる野村氏が堺市議を辞職、自民党を離党して立候補を表明したのは5月17日。政党の推薦・公認を受けず、「チームSAKAI」に結集する幅広い市民と共に選挙戦に臨みました。
立候補表明から投票日まで約3週間という短期決戦の中、野村氏は政令市の権限・財源を生かして市民施策を発展させることを公約。「チームSAKAI」やつくる会、市民1000人委員会などの新たな共同が広がりました。つくる会は争点や維新のうそ・ごまかしを批判したビラ「日刊いいね!堺」を市内全駅で配布するなど奮闘しました。
維新陣営は「都」構想について語らず、「争点隠し」に終始。「府・大阪市と一体で堺を成長させる」として巨大開発の復活を打ち出す一方、「相手は野合」などの攻撃を繰り返しました。「維新圧勝」とも予想されていましたが、13万7862票(得票率44・89%)と僅差で当選。前回17年の市長選から1439票減らし、4月の知事選で維新の吉村洋文氏が堺で得た20万票から大きく後退しました。
9日夜、大勢判明を受けて堺市堺区内の事務所であいさつした野村氏は、「相手候補に追いつけたのは、皆さんの奮闘のたまもの。多くの堺市民の方々が、『都』構想には反対だと意思を表示した結果は、堺市にとって大きな意味があった」と語りました。
さらに「このことは私にとって、何ものにも代えがたい貴重な財産。今後の活動に生かし、堺市のために微力を尽くしたい」と力強く語ると、詰め掛けた支援者から大きな拍手と共に「野村さん、ありがとう」の声がわき起こりました。
堺市長選開票結果(投票率40.83%)
当 | 137,862 | 永藤英機 | 42 | 維新 |
123,771 | 野村友昭 | 45 | 無新 | |
14,110 | 立花孝志 | 51 | 諸新 |
新たな拠り所築いた
つくる会事務局長が声明
住みよい堺市をつくる会の丹野優事務局長は9日、声明を発表。永藤氏が公約した「『都』構想は時期尚早」を覆したり、暮らしを支える施策を切り捨るようなことがあれば、市民から厳しい審判を受けることになると述べています。
選挙戦で共同した「市民1000人委員会」「チームSAKAI」の人々と信頼関係を深めたことは、堺市政を前進させる新たなよりどころを築いたと指摘。選挙で示された市民の願いと共同をさらに発展させ、施策実現を求めるとともに、「『都』構想で堺はどうなるのか」などを知らせ、共に考える取り組みを強化したいと表明しています。
共同の力に心を寄せ 堺市の発展へ全力で
共産党堺地区
日本共産党堺地区の田中浩美委員長は10日発表した声明で、今回の選挙戦で幅広い市民の共同が生まれたことは、今後の堺市政を前に進める新たなたたかいのよりどころを築いたと指摘しています。
今後、維新市政の下で、これまで築いてきた市民施策を後退させる動きを断じて許さず、選挙戦で発揮された市民の熱い願い、共同の力に心を寄せ、掲げた政策の実現、堺市政の発展を目指して市議会内外で奮闘し、「都」構想を許さない運動を強めると表明。
さらに参院選で自公政権の補完勢力であり、改憲別働隊・維新が国政で問われる中、市長選でつちかった力を生かし、安倍政権打倒へ、市民と野党の共闘の勝利、日本共産党の躍進へ総力を挙げるとしています。
(大阪民主新報、2019年6月16日号より)