おおさかナウ

2019年07月07日

大阪を変える「3つの提案」上
消費税増税ストップ、暮らし応援で家計も経済も元気に

提案1グラフのコピー 家計消費は減り続け、賃金も増えない―。こんなときに消費税の10%への増税は家計に大打撃を与えます。世論調査でも「増税反対」が多数です。増税中止、暮らしの応援こそ必要です。
 総務省の家計調査によると、大阪市の勤労者世帯の家計消費は2012年の約26万円をピークに18年は23万3千円へと約2万6千円も減少しました。年間にすると約31万円になります。
 同調査では、全国の人口100万人以上の大都市についても集計しています。それによると消費税の8%への増税の14年以降家計消費が減少し、18年は26万5千円に落ち込んでいます。
 過去10年間(09~18年)の家計消費は、全国大都市が5・2%減に対し大阪市は8・2%減。大阪で、より格差と貧困が進行していることがうかがえます。
 消費税率が10%になれば、軽減税率を適用しても、18年の大阪市の総世帯で2万8800円の負担増になります。
 所得が増えない中で、家計はいっそうの節約を迫られ、消費が冷え込みます。府内総生産の55%を占める家計消費の落ち込みは、大阪経済にとって大打撃です。
 社会保険料負担も家計を圧迫しています。大阪市・勤労者世帯の1カ月当たりの社会保険負担は、18年で約4万3千円。10年間で約9600円増、1・3倍です。
 段階的に引き上げられてきた厚生年金保険料率は17年度18・3%(労使折半)で固定されていますが、国民年金保険料、健康保険料率の引き上げは続き、国民健康保険も府域統一保険料などで大幅値上げが狙われています。
 国会では、老後の生活資金不足が2千万円に上るとの金融庁の報告を、財務相が受け取り拒否したことが問題になりましたが、大阪府内の国民年金の月額平均は5万3661円、厚生年金は15万3728円(17年度「厚生年金保険・国民年金事業年報」より、それぞれ老齢年金)です。
 18年の家計調査(大阪市総世帯)で単純計算すると家計消費は21万6882円(世帯人員2・2人、世帯主の年齢58・6歳)が平均ですが、厚生年金の月額平均より6万3154円も多く、消費を削らなければ1年間で75万7848円、30年間で2273万円不足することになります。
 「減らない年金」と年金額の底上げ、そして社会保険料の負担軽減が家計を助け、経済も元気にする道筋です。

(大阪民主新報、2019年7月7日号より)

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