暴走政治阻止へ全力
参院選投開票 共産は比例4・選挙区3
第25回参院選(改選総数124議席)が21日投開票されました。日本共産党は比例代表(同74)で山下芳生副委員長はじめ4議席を確保。大阪選挙区(同4)では大激戦の中、再選を目指す辰巳孝太郎候補が猛追しましたが、及びませんでした。東京と埼玉、京都の各選挙区で議席を獲得しました。日本共産党はじめ5野党・会派が野党統一候補を擁立した全国32の1人区では、前回2016年の11選挙区に並ぶ10選挙区で勝利。自民、公明、維新の改憲勢力は憲法改定発議に必要な3分の2の議席を割り込みました。
1人区・野党共闘 10選挙区で勝利
山下氏再選、辰巳氏及ばず 改憲勢力 3分の2割る
選挙戦は比例代表も大阪選挙区も1票を争う大激戦に。年金問題、消費増税、憲法改定などの大争点で日本共産党は積極的な提案を示して論戦をリード。「暮らしに希望を―3つの提案」を掲げ、それらを実現する希望は市民と野党の共闘、「財界中心」「アメリカ言いなり」という日本の政治の2つのゆがみをただす日本共産党の躍進にあると訴えました。
日本共産党は大阪で比例代表で80万票を目標にたたかい、33万4452票(得票率9・64%)を獲得。前回16年の参院比例より約8万7千票減らしましたが、17年衆院比例より約1万8千票増やしました。
大阪選挙区では辰巳氏のほか、自民党と公明党の現職、維新の現職と新人、立憲民主党の新人らが立候補。安倍晋三首相が9条改憲を前面に掲げ、維新の2候補も改憲を叫び、大阪へのカジノ誘致でも自民、公明、維新が一体ぶりをあらわにする中、辰巳氏は、自公維「改憲・カジノ連合」の4議席独占を許すわけにはいかないと全力を挙げました。
4月の統一地方選後、自民党府連や公明党府本部が維新に屈服し、大阪市を廃止・解体する「大阪都」構想をめぐって態度を一変させる中、「『都』構想ノー」を貫く日本共産党の姿に、他党支持者からも「今度ばかりは辰巳候補に」と期待の声が広がりました。
さらに辰巳氏は13年の初当選以来、ブラック企業の規制やコンビニ問題、森友疑惑追及など数々の実績を積み重ねてきました。これらの問題の当事者や関係者からも、党派を超えた支持が広がりました。憲法学者の小林節氏はじめ学者や様々な立場の人が応援に駆け付け、支援者、党員、後援会員が「宝の議席を守ろう」と猛奮闘しました。
辰巳氏は38万1854票(同10・93%)を獲得し、メディアの出口調査では、「『支持政党なし』のうち、最多の18・9%を共産現職の辰巳氏に投票」(「毎日」22日付)など大健闘しましたが、及びませんでした。
当選は、維新新人の梅村みずほ(40)、同現職の東徹(52)、公明党現職の杉久武(43)、自民党現職の太田房江(68)の各氏。
支援者、党員、後援会員
一丸となってたたかった 辰巳氏
21日夜、大阪市中央区内の選挙事務所で支援者らを前にあいさつした辰巳氏は、「非常に残念な結果になりました。私の力不足で申し訳ありません」と述べました。
たたかいはまだ終わっていない
今回の選挙について「安倍政権とその補完勢力、改憲勢力、カジノ推進勢力にストップをかけるためのたたかいでした」と指摘。「その中で従来の日本共産党の支援者だけでなく、保守の方が、自民党や公明党に投票されていた方などが私に期待を寄せていただき、たくさんの支援をいただきました。初めて共産党を応援したボランティアの皆さん、たつみ応援チーム、党員、後援会員、支持者一丸となってたたかうことができた選挙でした」と感謝を表明しました。
辰巳氏は「選挙には破れましたが、たたかいはまだ終わっていません。引き続き、安倍政権の暴走をストップするため全力を尽くし、公約実現に頑張っていきたい」と決意しました。
公約実現へ全力
山下、辰巳、山本氏らが決意
参院選の投開票から一夜明けた22日朝、日本共産党府委員会が大阪市天王寺区のJR天王寺駅前で街頭宣伝を行いました。比例代表で4選を果たした山下芳生副委員長、大阪選挙区候補の辰巳孝太郎氏、比例候補の山本訓子氏、清水忠史衆院議員、宮本岳志前衆院議員が参加。選挙戦での支援に感謝するとともに、公約実現に全力を挙げ、市民と野党の共闘の発展、日本共産党の躍進へ引き続き奮闘する決意を語りました。
参院比例区(大阪)の開票結果
| 得票数 | 得票率(%) | ||
今回 | 前回 | 今回 | 前回 | |
日本共産党 | 334,452 | 421,790 | 9.64 | 11.37 |
自 民 党 | 716,059 | 820,641 | 20.64 | 22.12 |
公 明 党 | 545,075 | 608,104 | 15.71 | 16.39 |
日本維新の会 | 1,219,430 | 1,293,626 | 35.14 | 34.86 |
立憲民主党 | 291,783 | 344,941 | 8.41 | 9.3 |
国民民主党 | 131,721 | 3.8 | ||
社会民主党 | 24,935 | 46,256 | 0.72 | 1.25 |
れいわ新選組 | 119,381 | ― | 3.44 | ― |
その他・諸派 | 87,033 | 136,392 | 2.51 | 3.68 |
投票率48・62% 前回は2016年の参院選で、日本維新の会はおおさか維新の会。立憲民主党と国民民主党の前回は民主党
参院大阪選挙区の開票結果
当 | 729,818 | 梅村みずほ | 40 | 維新 |
当 | 660,128 | 東 徹 | 52 | 維現 |
当 | 591,664 | 杉 久武 | 43 | 公現 |
当 | 559,709 | 太田 房江 | 68 | 自現 |
381,854 | 辰巳孝太郎 | 42 | 共現 | |
356,177 | 亀石 倫子 | 45 | 立新 | |
129,587 | にしゃんた | 50 | 国新 | |
43,667 | 尾崎 全紀 | 48 | 諸新 | |
14,732 | 浜田 健 | 53 | 諸新 | |
11,203 | 数森 圭吾 | 39 | 諸新 | |
9,314 | 足立美生代 | 47 | 諸新 | |
7,252 | 佐々木一郎 | 68 | 諸新 |
(大阪民主新報、2019年7月28日号より)