参院選 広がった支援の輪
辰巳氏の「宝の議席」守れと
〝希望〟示した共産党
「私は、弱い者いじめの政治をなくしたいと政治の道を志しました」。17日間の選挙期間中、日本共産党大阪選挙区候補の辰巳孝太郎氏は、自らの政治信条を述べながら、消費税増税、年金減額、高学費と奨学金、沖縄辺野古への基地建設強行などを挙げ、安倍政権の下で進む生活破壊の実態を告発。弱い者いじめの政治が極まっていると強調し、結党以来97年間、一貫して戦争反対、弱者のために活動してきた日本共産党の歴史に触れ、「あなたの1票で弱い者いじめの安倍政治を終わらせよう」と比例代表での躍進と、大阪選挙区での勝利を呼び掛けました。
6年間の国会活動の実績
政治を動かす「日本の宝」
選挙戦では、1期6年間の国会活動で「現場主義」を貫き、通算200回を超えた質問、安倍政権と正面からたたかってきた姿などに信頼が広がりました。
辰巳氏自らが党国会議員団疑惑追及チーム責任者として調査・論戦の先頭に立った森友学園疑惑では、事実に基づく丹念な調査で、政権側のごまかしを何度も論破しました。
とことん追及する議員活動への共感と期待が広がり、豊中の市民グループ「森友学園問題を考える会」は、参院選で辰巳氏を推薦決定。問題の真相解明と共に、辰巳支持を呼び掛けました。
7月10日に来阪したれいわ新選組の山本太郎代表も、森友質問を例に、「権力側に嫌われる追及をした辰巳孝太郎さんは、参議院のエース、日本の宝。絶対に失うわけにいかない議席」と訴えました。
コンビニ本部による加盟店への24時間営業強制は「独禁法違反に当たる可能性がある」との歴史的答弁を引き出した国会質問も、企業献金を受け取らない日本共産党ならではのものでした。府内コンビニ関係者が「次の国会で二の矢、三の矢を」「権力と対決できる辰巳さんが国会に必要」と、相次ぎ応援弁士を買って出ました。
「涙の演説」が90万回再生
共感力ある政治家が必要
国会活動における実績と論戦力に加え、辰巳氏の政治家・人間像への共感から、「この人を再び国会へ」と支持が広げりました。
辰巳氏が、自ら国会で取り上げた母子家庭の無理心中未遂事件を街頭で涙ながらに語った演説の動画は、インターネット上で拡散され、再生回数は90万回を超えました。
「お金がないから死ぬしかない。そんな状況をつくり出す政治は、絶対に変えなければいけない。政治は、法律は、弱者のためにある」と声を震わせて訴えた演説に、ツイッターなどSNSで、「動画を見た」との投稿があふれました。「政治家に必要なのは共感力」「こういうコータローさんをぜひまた国会に送ってください」などの声が相次ぎました。
自民支持者ら保守層など
党派超えて広がった支持
辰巳氏は、「都」構想やカジノに反対する唯一の大阪選出国会議員と論陣を張り、保守層はじめ党派を超えた支持を呼び掛けました。
自民党支持の会社経営者や、長年、自民党議員の後援会役員を務めた会社経営者が、初めて共産党の宣伝カーでマイクを握り、選挙公報でも推薦人に名前を連ねました。本紙にも登場し、安倍政権が進める消費税増税や改憲策動を批判。それぞれ「共産党は民主主義を守ろうとしている。たつみさんは必ず国会に戻ってほしい」、「弱い立場の人に手を差し伸べて働くたつみさんを本気で応援する。自民党から共産党オンリーに切り替えた」と語り、共産党、辰巳支持を呼び掛けました。
保守派論客で憲法学者の小林節慶応大名誉教授も2日間、辰巳氏とそろって応援演説しました。精神科医の香山リカ氏、同志社大学の岡野八代教授ら学者も大阪に駆け付けたほか、作家の室井佑月氏、平野啓一郎氏ら著名人も、野党を応援する立場から、ツイッターでエールを送りました。絵本作家の長谷川義史さんも、応援メッセージと辰巳氏の似顔絵を贈り、反響を呼びました。
選挙初体験の応援チーム
工夫凝らした宣伝を展開
市民有志の選挙ボランティアで構成する「たつみコータロー応援チーム」は昨年秋に結成され、リーフ配りやタウンミーティングの開催、国会映像を街頭で上映するパブリックビューイング宣伝など、工夫を凝らした活動を展開しました。投票日当日も、投票率を上げようと、「投票日は今日です」とアピールするプラカードを手に、街頭に立ち続けました。
チームには約60人が参加。選挙運動が初めての人も少なくありませんでした。
チームメンバーの一人、35歳の派遣社員の男性は、「これまで知らなかった別世界で、楽しかった」と選挙戦を振り返りました。男性は、3年間働いたクリーニング工場で、早朝から夜中までの長時間労働の上に低賃金だったことに疑問を感じていたところ、ブラック企業問題に取り組む辰巳氏の活動を、インターネットで知りました。
男性は今年5月、ネットで「応援チーム」の集いがあることを知り、参加。ビラ配り、電話かけ、シールアンケートなど、どれも初めての体験でした。活動する中で、党の学費無償化の政策にも、希望を見出しました。「専門学校で学びたい。学費を半分にしてもらえたら、それも現実に考えられる」と語りました。
18歳の初選挙では維新に投票したという20歳の男子学生も、「戦争ができる国にしたくない。消費税を少なくしたい」との自分の願いと党の政策が一致。「応援チーム」で、選挙運動にも初めて参加しました。
21日夜、「たたかいはまだ終わっていない。引き続き、安倍政権の暴走をストップするため全力を尽くす」と支援者に語った辰巳氏と共に、「応援チーム」の青年たちも、再スタートの決意を固め合いました。
年金・憲法・消費税
運動さらに発展させよう
参院選で大きな争点となった「年金」「消費税増税」「憲法」問題について、各団体の代表のコメントを紹介します。
本当の解決策を広く
年金者組合府本部委員長 加納忠さん
政府はこれまで、若者たちの将来の年金を守るためのマクロ経済スライドだと宣伝してきました。ところが実際には、将来の受給者ほど大変だという事実が広がりました。
本当の解決策を広く共有できなかったのは残念です。しかし自民・公明・維新の示す年金削減などの「解決策」では、若者たちの将来は大変なことになる、その怒りを私たちの年金裁判や運動にもっと反映していく基盤ができました。それを本当に力にしていくことは、これからの課題です。
発議許さない世論を
大阪憲法会議幹事長 丹羽徹さん
今回の参議院選挙において、改憲勢力に3分の2の議席を与えなかったことは、安倍改憲阻止にとっては大きな意味を持つものとなりました。
しかし、安倍首相は「改憲議論を進めることへの支持があった」として、憲法審査会の開催を強く求めています。また野党の一部を取り込もうとの策動も見られます。
投票率が低い中で、安倍改憲の危険性をこれまで以上に知らせることで、改憲発議を許さない世論形成につなげたいと考えています。
増税を止める先頭に
大商連会長代行 田中武久さん
私は妻と2人で鉄工所を営み、メーカーの孫請けで新幹線のボルトや大型車両のベアリングなどを造っています。消費税率が上がる度にきっちりその分の値下げを迫られてきました。
景気が悪く所得税は安くなっても、消費税が売上から何十万円も取られる。これが中小業者を苦しめます。
選挙中に私たちが街で野党の財源提案を訴えたところでは、反応はものすごくよかった。10月の増税を中止させる大きな運動を、先頭に立って起こしたいと思います。
(大阪民主新報、2019年7月28日号より)