おおさかナウ

2019年08月11日

松井大阪市長は暴言撤回を
「慰安婦問題はデマ」 市民団体が抗議

 国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」の企画展中止問題をめぐり、日本維新の会の松井一郎代表(大阪市長)が「慰安婦問題は完全なデマ」などと暴言を行った(5日)ことに対し、大阪の市民団体から抗議の声が上がっています。

〝歴史的真実に反する〟
新婦人府本部

 新婦人府本部の杉本和会長は6日、「歴史的事実にも反するものであり、絶対に許せない」と抗議し、発言を撤回するよう、松井氏に申し入れました。
 申し入れ書では、「慰安婦」問題は侵略戦争の中で女性の人権を極限までじゅうりんした「性奴隷」制度であり、人権侵害の戦争犯罪として、世界から日本政府に一日も早く責任を認め、謝罪することが求められていると強調。日本政府としても「当時の軍の関与」を認め、安倍晋三首相も「心からお詫びの気持ち」を表明し、政府は「最終的、不可逆的に解決することを確認」しているとしています。

政府の「河野談話」否定
大阪平和委員会

 大阪平和委員会の西晃会長は6日の声明で、日本政府がいわゆる「河野談話」(1993年)で、「慰安所」の設置や管理、「慰安婦」の移送に旧日本軍が直接・間接に関与したと述べた上で、歴史の真実を回避することなく教訓として直視し、歴史研究・歴史教育を通じて長く記憶にとどめ、「同じ過ちを決して繰り返さないという固い決意を改めて表明」していると指摘しています。
 松井氏の暴言は、日本政府の「河野談話」を否定するもので、「歴史に謙虚に向き合う姿勢が皆無と言わざるをえません」と厳しく批判。同時に、憲法21条が保障する「表現の自由」を真っ向から踏みにじるものだと強調し、発言に抗議し、撤回を求めています。


(大阪民主新報、2019年8月11日・18日合併号より)

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